いのちのうつわ 4 side MUSHIMEGANE ページ21
まさかこんなことになるなんて…
どうかAちゃんも赤ちゃんもこのまま無事であるようにと祈らずにはいられない。
病院へ着くと受付にすぐ向かう、すると先に連絡をしてあった為にすぐ病室へと通された。
こじんまりとしてこ綺麗な個室。
Aちゃんはとりあえずベッドに寝かされて、付き添ってくれた看護士さんが僕を見る。
「旦那さんもこのまま立ち会いますか？」
「えっ⁉あの、その、僕は！」
「あ、そうだ。その前にお母さん着替えしないとね。パジャマは持って来てます？」
「あ、はい…」
「じゃあ先に着替えちゃってね。それから診察になるのでまた後で迎えに来ます」
慌ただしい感じでそのまま看護士さんは部屋を出て行った。
僕は色んなことが一度にあったから頭が追いつかず、暫し茫然と立ち尽くしてしまった。
するとAちゃんがすまなそうに僕に呟く。
「虫さん、ごめんね…」
そんなAちゃんに我に返った僕は慌ててそちらへ顔を向けた。
「え、なんで謝ったりするの？」
「だって、こんなことに虫さんのこと巻き込んで…本当にごめんなさい」
「巻き込むって、そんな言い方しないで。なんだかそんな風に思われてる方が僕は辛いよ。こんな時だからこそ逆に頼っていいんだ。今は元気な赤ちゃんを産むことだけ考えて、ね？」
僕の言葉にAちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
その表情があまりにもキレイで、こんな時だっていうのについ見とれてしまう。
「ありがとう、虫さん…」
「うん、ほら早く着替えないと。僕、外出てるから」
「うん」
Aちゃんが頷くのを合図に僕は一旦病室を後にする。
廊下にある長椅子に座ってポケットに入れていた携帯を手に取ると何件かの着信に気づく。
確認したら全ててつやからだった。
きっとりょうくんから連絡がいって、すぐ折り返してきたのだろう。
僕はそのまま病院の控え室に移動してそこでてつやに電話することにした。
コールしたかしないかですぐにてつやと繋がる。
「もしもし」
「Aは⁉Aどうなった⁉」
焦ってるのが電話越しからでも伝わってくる。
まぁ、それはそうだろうけど。
「今病院に着いた。これから診察だって」
「どうなってんだよ…なぁ、なにがあった？」
「分からない。てつやが行ってからすぐ陣痛が来て…」
「なんだよ、それ。大丈夫だって言ってたじゃねぇか…」
「とにかく、暫くは僕がついてる。てつやはどうするんだ？」
「すぐ帰る」
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
