真実 3 ページ17
今自分になにが起こったのか軽くパニックになった。
てつやが器用にそのまま私へワインを流し込む。
それを私はそのままコクンと喉を鳴らして飲み干したのを確認してからてつやが私から離れた。
二人目が合った時、私を見つめててつやが不敵に笑って。
私は顔が一気に熱くなるのを感じていた。
慌てて俯く私の顎にてつやの長い指が伸びてきて、口元に飲み切れなかったワインの雫を拭う。
そんなことされたらますます顔熱くなるじゃん…
「これなんかヤラシイな」
「は、はぁ？な、なに言ってんの…」
「俺の勝ちだな」
「え、えっなんでよ⁉」
「今ので一気に酔っ払っただろうが？」
「はぁぁ？そ、そんなことくらいで、よ、酔うわけないでしょ！」
「ほう、じゃあもう一回やるか」
「待って待って！もうやめて‼」
「じゃあ負けを認めるんだな？」
「だ、だってどう見てもてつやの方が酔ってるでしょ⁈」
って言ったところでまたてつやが私の腰に回した腕を自分の方へと引き寄せて二人の唇が重なった。
すぐに深くなる口付けに身を委ねたら、本当だ。
ワインを飲むよりもなんだかすごくクラクラしてくる…
「A、俺の言うこと聞けよ」
「はぁ？なんでよ！」
「何度同じこと言わせんだよ、俺の勝ちだからだ」
「なに、それ！絶対おかしいでしょっ」
顔が離れた直後にそんな言い合いをして、てつやが私を抱き抱える。
「ちょっと、なんなの！何する気⁉」
「何ってナニなことを…」
「バカ言ってないで降ろしてよ！」
結局そのままベッドまで運ばれてしまったわけで…
なんなんだ、このなし崩し感は。
そもそも今日はホワイトデーなのに、なんで私の言うこと聞いてくれないの？
これじゃあ結果的にてつやばっかりおいしい思いしただけな気がするんだけど気のせいかな？
でもね、本当は素直にあなたの胸に飛び込みたいの。
意地っ張りな私だからそうやって強引に奪ってくれるところ大好きだよ。
面と向かっては言えない、心の奥できらめく真実。
てつやには内緒だけどね。
end.
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
