真実 ページ15
「A、これやる」
リビングのテーブル席でなんとなく雑誌を見たり携帯を弄ったりの寛ぎタイムを満喫中の私の前に、てつやが素敵にラッピングされた長方形をした箱をドンって感じで置くと向かいの席につく。
「なに、これ」
「バレンタインのお返しだ」
「あーそうか、今日ホワイトデーだもんね。そりゃそりゃわざわざありがとうございます」
軽くお礼を言ってからまた手元の雑誌へ視線をやると不満そうなてつやの声が返ってきた。
「おいこら貴様」
「あ？貴様って誰のこと言ってんのよ。上等じゃないの、あんた私に喧嘩売ってんの？」
「いやいやいや、喧嘩売ってんのはどっちだ？」
「てつやでしょうが」
「誰がどう見てもお前だろ？なぜ彼氏からのホワイトデーのプレゼントをだなぁ…いやーん、うれしい！ありがとてっちゃん♡開けて見てもいいかなぁ？ってな一連の流れがお前には出来ないんだっ、なぁなぜだ⁈」
「…あんたもさ、私と付き合い長いんだから私がそういうタイプの人間じゃないことぐらい分かれ、頼むから」
「とにかく開けてみろよ！お前を想って俺がせっかく買って…」
「はいはい、分かりました。はい、じゃあ開けまーす」
「てめぇ、人がまだ話てる途中だってのにっ…はぁ、まぁいいわ。早く開けろ」
私はてつやに進められるがまま目の前の箱のラッピングをそっと開けてみる。
「きゃーーー♡♡♡」
中から出てきたのは、ずっと私が一度は口にしてみたいと思っていた高級ワイン！
だけどさすがにお値段がバカヤロウ過ぎて諦めていた一品。
それが今私の目の前に…(キラキラ)
この時ほどてつやがウルトライケメンに見えたことはない(一瞬だけどな)
「ありがとう！本当にありがとう、てつや‼これ高かったよね、でももう返さないからっ」
「誰が返せとかダセェこと言うか！しかしまさかここまでテンション上がるとはな…」
「そりゃ上がるでしょ？だってこれ本当に欲しかったやつだもん！そうだ、これ今度メンバーで飲む時まで取っとこうか。それでみんなで飲もう…」
「いーや、今飲む！」
「え？」
てつやがどこからともなくワイングラスをテーブルにふたつ置いた。
い、いつの間に用意したんだ…
「A、俺と勝負しろ」
「…勝負ってなにを？」
「これ飲んで先に酔った方が負けだ」
「……本気で言ってる？」
「本気と書いてマジだ」
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
