青空のウエディングドレス ページ1
ある日のこと、リビングのテーブルの上にブライダル関係の本やパンフレットを広げながらてつやが言った。
「Aが安定期に入ったら式挙げるか？」
「え？」
「ほら、Aも見ろよ。主役はお前だぞ」
「あのぉ、てつや」
「なんだ」
「結婚式、無理にやらなくていいよ」
私がそう言ったら、パンフレットをパラパラめくっていたてつやの手が止まった。
「なんだと？A、お前今なんて言った」
「だから無理して結婚式しなくていいって言ったの」
「な、なんでだよ⁉お前ウエディングドレス着たくねーのか‼」
「いや、だって一回着たしね」
「はぁ？まさかお前、あの雑誌の企画のこと言ってんじゃねーだろうな？」
「そうだよ、あれで充分じゃん」
「やれやれ…お前全然分かってないようだな」
「は、なにが？」
「あれはあくまでも企画なんだぞ、企画。普通はだな、好きな人の為に綺麗な私を見てもらいたい！って思うもんだろ？それで満足とかどういう神経してんだ、お前は」
「あれで満足しちゃう神経」
「揚げ足取ってんじゃねぇ！俺はなぁ、俺の為だけにウエディングドレス着てほしいんだよっ、なんでそれが分かんねぇんだ‼」
「なーに柄にもなくロマンティックなこと言っちゃってんのよ、馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿言うなー‼嫁にドレス着せてぇ思ってなにがわりぃんだよ！」
はぁ、まーた始まったよ。
本当こうなるとめんどくさいんだよなぁ。
私としてはどちらかというとその分、これから産まれてくる赤ちゃんにどうせなら使いたいって思ってしまって。
だけど絶対てつやが引かないことも分かっていた。
「分かりました。まぁ一生に一度のことだしね、やりましょう」
「そうか、やる気になったか！なんだよー結局Aもその気だったんじゃねーか。すぐ照れて思ってることと逆なこと言うんだからもー、でもそういうとこかわいいから好き」
「…その代わりすっごい忙しくなるんだからね。私だってまだつわりあるしそんなに動けないからね。これからめっちゃ大変だよ、そこ分かってる？」
「大丈夫、愛さえあればなんでも乗り越えられる！なぁ、A？」
あーもうこれ絶対分かってないよ、先行き心配だわ…
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
