いっぱいキスしよう（2010 years）side TETSUYA ページ28
…ん？なんだ、ここは。
辺りをなんとなく見回してみたけれど、本当になにもないところだった。
ただ真っ白な世界に一人放り出されたみたいだ。
なーにもねぇな、誰もいねぇし。
どうして俺はこんなとこにいるんだ？
しかし、かと言って怖さとかはまったく微塵もなく。
寧ろ温かくて幸福ないい気分に包まれていた。
「てつや」
俺を呼ぶ、いつも近くで聞いてる声がする。
振り返ったらそこにいたのはやっぱりAだった。
「なんだよ、お前もいたのか」
真っ白なワンピースを身にまとって、それがやたらAに似合ってる。
さらにはかわいらしい笑顔で俺を見ているから、なんだかやけにドキドキした。
「お前ここでなにやってんだ？つーか、ここどこだ？」
そう尋ねてみたけれど、それには何も答えず。
Aがこちらへと歩み寄り、目の前まで来ると立ち止まり俺を見上げてきた。
なんだなんだ、こいつこんなに色っぽかったっけ？
今まで見たことのないその表情にかなり動揺していた。
これは本当にAなのか…？
「A？」
「てつや…」
潤んだ瞳で見つめてくるAが、俺の腰に腕を回して抱きついてきた。
胸に頬を寄せ、腕の力が強くなるのを感じる。
やべっ、すっげぇいい匂いがする…
Aの髪の香りにクラクラした。
俺は無意識にAの背中に腕を回してそのまま強く抱きしめ返す。
その小さな身体はすっぽりといい感じに俺の腕に収まった。
そうして暫くの間二人、抱き合ったまま時が過ぎていく。
出来ることならずっとこうしていたいと本気で思う。
その時顔を上げたAがそっと瞳を閉じると、そのまま背伸びして俺の唇に自身の唇を重ねてきた。
一瞬何が起こったのか分からなかったけれど、自然と俺も目を閉じる。
それにしてもこいつ、どこもかしこもすっげ柔らけーな…
思考が段々停止していく中で、俺はAをどう思っているのかをぼんやりだが自分に説く。
あぁ、そうか。
きっと、俺はAを…
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
