元カレ ページ10
気になる…
あぁ気になってしょうがない…
というのも、本日の当番割が照兄ぃとさっくんがAさん。
阿部ちゃんと俺がりょうさんの担当なので、そうなるとどうなるかというと、Aさんが気になって教えるのに身が入らないってことになる。
それにどうも気づかれているようで…
「ごめんね、向井くん。俺の担当になっちゃって」
「あ、いえいえ！そんなことないっすよ…」
「康二ぃ、集中しなよ」
「すんません…」
りょうさんには変に気を使われ、阿部ちゃんには注意され…
そりゃ、こんなんあかんよなぁ。
「って言ってる側からAさん見てるし」
「AさんはEテレの体操のお兄さんが好きやねんて」
「何だよもういきなり…」
「こう、さわやかぁなヤツがええねんな？どう、俺さわやか？」
「おい、康二いい加減にしろよ」
「向井くんはおもしろいよね、そんなにAのこと気に入ってるの？」
「はい、数年前からずーっと一途に推してます！そうだ、りょうさん。Aさんの元カレってどんなんでした？」
「…ダメだ、恋に突っ走り始めてる」
「え、それ聞いちゃう？」
「はい。そうしたらもっと好みのタイプが分かるんちゃうかなぁ思いまして」
「Aの元カレかぁ、まぁ向井くんが知ってるところだと…」
「え、俺が知ってんですか⁈」
えっえ、それってどういうこと…？
まさかAさん、実はむっちゃ有名人と付き合ってたことあるんか？
そりゃそうか、あれだけかわいかったら…
「てつやだよ」
「…え、はぁ？あの、てつやって東海の？」
「そう、あのてつや」
「へぇ、あの二人って付き合ってたんだぁ」
「まぁ昔ね、学生の頃。まだ動画あげるかあげないかくらいのそれぐらいの時期に」
え、てつやさんとかずむお兄さんじゃ全然タイプちゃうやん⁈
って違う！今つっこむところはそこじゃない！
まさかAさんとてつやさんがその昔、恋人同士だったとは…
なんだろう、この胸のモヤモヤ感は。
一生懸命ダンスを覚えてるAさんを遠くに見ながら、なんとも言えない気分になった俺だった。
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作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
