あるか、恋の予感⁈ ページ6
「じゃあまぁ今日は軽く顔合わせってことで、本格的な練習は明日からでいいですか？」
「はい、明日からどうかこのバカ2人をよろしくお願いします」
「おいっまて！バカはお前だっ」
「あー俺の目の前でAさんがつっこみ入れてる…幸せ…」
岩本さんとしばゆーが挨拶を交わす中の会話につっこみ入れる私の手を離そうとしない向井さん、というこのカオス状態にもなんならつっこみましょうか？
「えっ、今日これで終わり？やっとAさんと会えたのにもう終わりっ⁈」
「おい康二、あんまりがっつくとAさんに嫌われるぞ！」
「てか、いつまで手握ってんだよ！いい加減離してやれ」
「わっ！す、すんません…ついっ」
「いえ…」
ついって何？
まぁここまで来てしまったからにはこの企画、やり切るしかないのかな…
「…で、因みにこの企画、誰の発案？」
「てつや」
「あっんのオレンジ野郎！マジで覚えてろよっ」
「あーぁ、てつやかわいそ」
「まぁ自業自得だろ、いーんじゃね」
「りょうくん、冷たいっ」
「Aさん！」
私がてつやを想像しながら指ポキポキ折ってる時に、向井さんが私を呼んだからそっちに視線を向けると満面の笑みが返ってくる。
「はい、なんでしょう？」
「明日からよろしくお願いします！皆さんもよろしくお願いします！」
「なんかAと愉快な仲間みたいになってね？」
「こちらこそよろしくです」
「よろしくお願いします…」
とりあえず今日は一通りの挨拶を済ませたところで解散となった。
てな訳で本日から2週間は我々、私、りょう、しばゆーは東海オンエア東京支部と呼ばれるマンションに滞在することとなった。
怒涛の１日を終えリビングで3人、お茶しながら少し寛ぐ。
「もーいきなり拉致られたから何にも持ってきてないじゃん…」
「とりあえず朝持ってたカバンは持ってきてやったぞ、礼を言え」
「こうなったのもお前のせいだろがっ」
「それにしても今日は向井くんすごかったね、A」
「え、まぁねぇ…とにかくびっくりしたわ、色々と」
「良かったじゃん、もしかしてワンチャンあんじゃねーの？」
「何が？」
「恋の予感ってやつぅー！」
「ある訳ないじゃん、相手誰だと思ってるの？現役バリバリアイドルだよ？あれはリップサービスってやつよ、きっと」
「そんな風には見えなかったけどなぁ…」
確かに向井さんとのファーストコンタクトには本当びっくりした。
明日からどうなるんだろうなぁ…
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作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
