一目惚れ ページ5
時は数年前に遡る。
俺がSnowManに加入し、いよいよデビューが決まったくらいの頃の話。
毎日のキツイ練習量に加えデビューへのプレッシャー、そもそもメンバーに馴染めるのか…
目に見えない圧力に押し潰されそうになっていた時、気晴らしになんとなく見ていたYouTube。
そのおすすめに上がってきた一つのサムネイルに俺は釘付けになった…
「なに？このめちゃめちゃかわいー子ぉーー⁈」
思わず休憩中のダンススタジオに響き渡るくらいのでかい声を張り上げてしまっていた。
いや、こんなもん声出さずにはおれん！
「うっさ！康二なんだよーいきなりでけぇ声出しやがって…」
「この子！この子を見てやってくださいっ」
「はぁ？なに…東海オンエアのAちゃんじゃん？」
「…東海オンエア？のA…ちゃん？」
佐久間くんが俺の手にしてるスマホを覗き込みながらそう教えてくれた。
そういえば何となくは聞いたことがある名前だった。
それが今やっと顔と一致する。
「康二、ちゃん付けしてっけどその子お前より年上だからな？」
「えっ？絶対俺より年下だと思った…」
「確かにかわいいよなぁ、人気女YouTuberで絶対名前上がってくるもんなぁ」
「そうなんや…」
ということは結構有名なYouTuberなんやな？
Aさんを一目見た瞬間、感電したかと思うくらいに身体中を稲妻に打たれたみたいな衝撃が走った。
何故なら…この世に本当にいたのかっ⁈てくらいに、顔が俺の超ドタイプだったからだ。
何がいいってふと見せる柔らかい笑顔が愛くるしいなんて一言で片付けられないくらいに愛くるしかった…
この時にはもう既にリアコと化していた俺は東海オンエアの動画をとにかく端から見漁った。
そこで分かったことはその清楚な見た目からは到底想像も出来ない、サバサバしたツッコミ体質だったということ。
そしてどんな無茶振りにも全力でやり抜く対応力！
…やめて、Aさん！
これ以上、俺を本気にさせないで！
あれから数年が経ち、完全にAさん推しに成長した俺の前に、憧れを通り越しもはや恋しちゃってる本物のAさんが大の字になって目の前にいる…
これは恋の神様がくれた大チャンスってやつちゃうか？
そうや、誰がなんと言おうと俺はこのラッキーを絶対物にしてみせるんや‼︎
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作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
