企画発表 ページ3
私は一周ぐるっと周りを見渡してその顔ぶれに度肝を抜かれた。
これが驚かずにいられるもんか…
「Aさん、この人達誰か分かりますか？」
「えっ、え…すSnowMan？」
「そうです、あの人気アイドルSnowManさんでーす！いぇーい！」
いや盛大にぽかーんですよ。
しゃがみ込んでたけど、もはやその場にぺったり座っちゃいました。
腰がちょっと抜けてね…
そんな私をしゃがんで囲んでSnowManメンバーはどうもーってこちらへ一斉に挨拶をした。
「…はい、どーもです」
「もう分かりましたね、Aさん」
「分かるかー！この状況であーあれやるのね、OK！ってなるかっ」
「すごいツッコミ能力」
「さすが人気のあるYouTuberのメンバー、揉まれてますね」
なんかSnowManに変なとこ感心されてるのだがそれは一旦置いといて本気でこの状況、何が起きるんだ…
「いいか、よく聞け。今日から2週間の間にあなたにはSnowManのあのキレキレのダンスをマスターしてもらいます」
「…はぁ？」
「お題曲はブラザービートです。言わずもがな大変人気の曲です、最高ですね」
いや、最高ではない！
私は思わず力無くその場に突っ伏し、頭をブンブン振った。
出来る訳がない、ただでさえダンスセンスのない私がよりにもよってそんなこと…
「なんで、私？ダンス企画で毎回全員の笑い者になってる私がなぜ抜擢されたの？」
「普通に踊れちゃったら面白くないだろ？安心しろA、今回この企画に参加するのはお前だけではないぞ」
「え、本当？良かったぁ…ちょっと心強い」
それを聞いて少しの希望にやっと身体を起こしたけれど、スタジオに現れた我メンバーを認識した時ついにその場に大の字になってこう叫んでしまった。
「終わったぁーー‼︎」
「りょうくんでーす」
「よろしくお願いします」
よりにもよってダンスできないツートップがここに降臨してしまった次第であります！
バカがっ！
「これはダメだ、SnowManの皆さんに迷惑が掛かる…」
「そこは大丈夫です、ちゃんとダンス企画の動画見せてきちんと話ついてます」
「あれを見て？どうなってんですか、SnowManって？」
「いや、あそこまで清々しいくらい踊れないとなると指導者の腕が鳴るというか」
ふにゃってした笑顔で岩本さんがそう言った。
絶対あとで後悔すると思う！
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作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
