付き合っちゃえ ページ20
駅から車で撮影スタジオへ戻る道中、助手席に座る向井さんは窓から見える景色に興奮していた。
「すげー、ここがずっと動画で見てた街かぁ」
「向井さん、岡崎にはどれくらいいられるんですか？」
「それが明日には戻らなあかんので、あんまゆっくりできないんですよね。それが残念やねんけど…」
「じゃあ行きたいところ何ヶ所かピックアップしてもらえたら案内しますよ」
「ほんまですか？やーうっれしいわぁ」
お世辞ではなく本当に嬉しそうな顔だって、向井さんを見ていると素直にそう思える。
その後はお互いの近況を報告し合い、時に爆笑しながらスタジオまで向かった。
「お待たせ、向井さん到着です」
「皆さん、はじめまして。りょうさん、しばゆーさん、てつやさん、お久しぶりです！」
「向井くん、久しぶり」
「ようこそ岡崎へ〜」
「すみません、仕事中に突然おじゃまして」
「いやいや全然。むしろ向井くん、心中お察しします」
「え、どういうことですか？」
「ちょっと！余計なこと言わないでっ」
向井さんが一通り東海メンバーとの挨拶を済ませ、少しの間ラフに歓談。
「これから全員で飯行こーぜ」
「いいやん、向井くんの歓迎会つーことで。ねー向井くん」
「ほんまですか？ありがとうございます！」
「どこ行く？」
「この人数だからなぁ、予約入れるか」
「だな」
行きつけの店を出し合い、連絡を入れ予約完了。
楽しみですって笑う向井さんに突然それにしても…って、てつやがいい感じのこの雰囲気をぶった斬るようなことを投下する。
「こいつのどこがいいの？塩で日本酒呑むような女だよ？」
「ちょっ、なんなのいきなり！」
「知ってます」
「えっ⁈なんで？」
「そういうとこもひっくるめてAさんの全部が好きです」
「ヤバい、こいつは本物だ…」
「あのっ、逆にてつやさんはどうして…」
「え、何？向井くん」
「いや、なんでもないです」
「なぁA、こんないい人はもう金輪際現れないぞ？悪いことは言わない、向井くんにしとけ」
「そうだ、何が不満なんだ。このチャンスを逃したら後で絶対後悔するぞ、それでもお前はいいのか？」
「ありがとうございます！もっと言ってください、お願いします」
「ちょっとみんな落ち着いて…」
変なところで意気投合しないでほしいよ、まったく…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
