最終日 ページ17
いよいよ、企画最終日となった本日。
今日はりょうくんと二人で通してダンスを踊らなければいけないという公開処刑の日でもある。
よせばいいのにわざわざ都内の撮影スタジオを借りての結構大掛かりなもので余計に緊張が倍増する。
「…ここまでしなくても良くない？」
「いやいや何を言ってんだ、なんせこの企画にはSnowManが関わってんだぞ？そんなおそまつな事できんだろ？」
「曲にちなんでうまいこと言って…」
衣装もブラザービート仕様の黒スーツだしね。
これできっとダンスもおそまつだからね、金掛けるとこ間違ってんじゃね？って思ってたところにちょうどこの企画の主催者が景気良く現れた。
「おーつかれ様でーす！お、りょうもAも衣装きまってんじゃん！いいやんいいやん、さて踊りの方はどんな感じ？」
「てつやぁー！あんた最終日にぬけぬけとよく顔出せたなっ」
この二週間の苦労を思い、ついてつやの胸ぐらを思い切り掴んで叫んでいた。
怒りに震える私にジェスチャーを交えながらまぁまぁってするてつやをこのまま許すとでも思ってるのか？
ってなことやってたら、スタジオに元気のよいおはようございまーすって挨拶が響いたので慌てててつやから手を離した。
SnowManメンバーが入って来たことが分かったからだ。
「おはようございまーす！二週間、本当にありがとうございました。どうでした、この二人」
「凄く頑張ってましたよ。楽しみにしていてください」
「どっちの意味だろ…」
「まぁ見てなさいよ、りょうくんと私とSnowManさんの汗と涙の結晶をっ」
てつやに捨て台詞を吐いた瞬間、向井さんと目が合って口パクで頑張れって言ってるのに頷いて答えた。
あの日言っていたことの意味をまだ聞けないでいるけれど、今はダンスに集中しなくちゃね！
企画として撮影されること、しかもSnowManの前で踊らなければいけないこと。
色々なプレッシャーはあるけれど、ここまできたらもうやるしかないんだから…
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作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
