じゃあ行こうか ページ1
最近、周りがおめでた続きだ。
メンバー中もう既に半数以上が結婚をし、更に子供も産まれた者もいる。
そんな中、私はというと…まぁ察しの良い方はお分かりだろうが、浮いた話の一つもないといった現状である。
「まいったねぇ…」
「どうした、何にまいってんだA？」
「生理なんじゃね？」
「違うわ、バカ！」
そもそもだな、こんな環境にいてどうやって気持ちを浮つかせればいいんだよっ！
教えるよって人がいるなら本気で教わりたいくらいだ、全く。
でもその日が案外すぐそこまで近づいていることを、私はまだこの時は知らない…
それはなんてことのないとある撮影日でのことだった。
この日もごく当たり前に撮影スタジオに全員集合し、普段通りのルーティンをこなしていた。
と、ここまでは普通の日常で済んでいた…
それはしばゆーの突然の一言から始まる。
「A、そろそろ行こうか」
「はぁ、どこへ？」
「うん、まぁそれは今言えないなぁ」
「じゃあヤダ、行かない」
「おいA、わがまま言ってねーでさっさとしばゆーの言う通りにしろ！」
「黙れ、てつや！じゃあ聞きますけどあんた、じゃあ行こうか？って言われただけではーい行っきまーす！ってハイテンションで行動できる？まずは行き先教えろよって話しでしょ？」
「いや、俺なら行く」
…聞いた相手が間違っていた。
確かにこいつなら喜んで行きそうだわ。
「まぁとにかくA、ますばこれしてくれ」
「アイマスク…ますますキナ臭ぇ…」
「ね、いいから」
「よくない！」
「おーい皆、Aが駄々こね始めてっから取り押さえちまえ！」
「了解っ！」
「ち、ちょっ⁈な、なに、なにっ⁈」
私が怯んだ隙にてつや、としみつ、ゆめまる3人に身体を拘束され身動き取れなくなったところをすかさずアイマスクされてしまった。
更には大音量のヘッドホンのおまけ付きで。
「なに、なんなの⁈何するつもりー⁈」
「よっしゃーいくぜぇ、開け夢の扉！」
こいつらといると碌なことがない…
今度は何やらされんだろうと半ば諦めムードでいた私の元に、まさかのロマンスの神様が降臨していたことをまだこの時、全く気がついていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえで
| 作成日時：2024年1月7日 11時
