新婚初夜 2 ページ10
夕食を終え、片付けを済ませてからはまた二人でおしゃべりしたりゲームしたり。
そんな時間を過ごしているうちに、さっきまでの緊張はいい感じに解れていった、のだけれど…
「俺、シャワー浴びてくるね」
ってみっくんが言ったからまた一気に身体が強張った。
「う、うん」
「あ、それともA先に浴びる？」
「ううん、いいっ！みっくん先入ってきて！」
「分かった。じゃあ先に入るね」
みっくんはそのまま浴室へ向かい、それを見届けてから私は一呼吸ついた。
再び胸の鼓動が大きくなっていく。
どうしよう、このままじゃ心臓どうかなっちゃうかも。
その後も、自分のシャワーの間ずっとドキドキは治らず。
支度を整え部屋に戻ると、Tシャツにハーフパンツスタイルでベッドによりかかっていたみっくんと目が合った。
いつも見てる格好なのに、それにさえ心臓がまた高鳴る。
そしてさらにみっくんがそこで煽るようなことを言ってきた。
「そろそろ寝ようか」
もう平常心でなんかいられない。
私はみっくんからさっと視線を外すと小さくうんと頷くのがやっとだった。
そのまま二人は一緒にひとつの布団に包まる。
手を伸ばせばすぐの距離にみっくんがいる。
こんなに近くにみっくんを感じたことは今までなかったことだ。
「A」
その時にみっくんから名前を呼ばれ、私の身体がビクって小さく跳ねた。
「な、なに？」
「そんなに怖がらないで。大丈夫だよ、なにもしないから」
思いもしなかった言葉にそちらへ視線を移すと、薄暗がりの中、みっくんの優しい笑顔がそこにはあった。
やっぱりバレちゃってたんだと、恥ずかしいやら情けないやらで心が痛くなる。
「俺達にはさ、これから長い時間があるでしょ？だから、ゆっくり夫婦になろう？」
みっくんの優しさに涙が出そうになった。
素直に今は、その気遣いが嬉しい。
このまま甘えてしまってもいいのかな、みっくんに。
「ごめん…」
「いいよ、謝らなくて。今日はもう寝よ？」
「うん」
そっと繋がる手と手、そのぬくもりを感じたと同時に、額にはみっくんの唇の柔らかな感触がした。
「おやすみ、A」
「うん、おやすみなさい」
みっくんが触れた場所が熱くなってく。
でも不思議と私の胸の鼓動はすっと落ち着いていった。
こうして私達、二人きりの新婚初夜は静かに更けていく。
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
