守ってあげたい【アバンティーズ】

Photo Wedding ページ7

お互い大学入学まで1ヶ月を切ったワケだけれども、それと並行して結婚の話も猛スピードで進んでいった。
二人の気持ちを優先したいと、みっくんの家も特に結婚を反対することはなかった。
両家の顔合わせ、といっても隣同士の家のこと。
和やかで、楽しげに盛り上がる様子を見ていて、それが嬉しくてみっくんと二人顔を見合わせ笑い合った。
全てが怖いくらいにスムーズで、だけどだからこそ家族には本当に感謝しかない。

今の私達の状況を考慮すれば必然的に籍だけを入れる形になったけれど、みっくんのお母さんが…

「こんなに若くて可愛いのにもったいない！絶対着るべきよ、ウエディングドレス‼」

の一言で、私達は写真だけの結婚式をすることになった。

この日、両家の親族が揃った街のフォトスタジオ。
可愛らしい雰囲気のスカートがふわっと広がるプリンセスラインのドレスに身を包んだ私。
メイク室から出ると撮影ルームで待機していた、見慣れないタキシード姿のみっくんの前へゆっくり歩み寄る。

「あの…みっくん、どうかな」

照れ笑いを浮かべ尋ねてみたけど、みっくんは私を見つめたまま固まってしまってる。
似合ってないのかなって不安になっていた時。

「すごいキレイ、A…」

いつものあのみっくんの笑顔に戻って、言ってくれた一言が素直に嬉しかった。
どうして結婚に迷いがなかったのか、今のみっくんから気づかされた様に思う。
ずっとずっと、私はみっくんが…

「ありがとう」
「待ってて、A。いつかお金貯めて、ちゃんとした結婚式挙げよう。あ、あと指輪も！」
「いいよ。式はこれで充分だし、指輪もいらない」
「えっ、そんなワケにはいかないよ」
「ううん、ほんとに。でもひとつだけ、私のお願い聞いてくれる？」
「もちろん！それってなに？」
「これからはずっと私の傍にいてね」
「そんなこと？」
「え、そうだよ。だって大事なことじゃん」

そんな私にまたみっくんが笑う。
でも本当に、それだけで私は幸せなんだよ。
これからは私の傍に、みっくんがただいてくれるならなにも望まない。
それだけでいい…

「ずっとAの傍にいる。絶対離さないよ」
「うん、私も。みっくんの傍から離れない」


この日の写真は私にとって、一生の宝物になるに違いない。
そして今日、私達は無事入籍をして私はみっくんと同じ苗字になった。
だけどそれに慣れるまでには、まだまだ時間が掛かりそうだ。

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