one more time ページ49
今頃思い出しても、もう遅いのかもしれない。
でも…
いてもたってもいられなくなり、部屋を出て玄関に向かった私はその勢いのまま扉を開いた。
するとそこには、すぐに会いたくて会いたくて仕方なかった人が驚いた顔で立っていた。
「みっくん…」
「あ、あの、ごめん。勝手にこんな家まで押しかけてくるようなことして。でももう一度ちゃんと話がしたかったから」
耐え切れず、頬を涙が伝っていく。
「俺、やっぱりどうしてもAと別れたくないよ。世界中どこを探しても、A以上好きになれる人はいない」
「ごめんね。私この前、トウコちゃんに会ったの」
「え？」
「みっくんと別れてって言われた、私が邪魔だからって」
「そんなことあるワケないじゃん！」
「うん、そうだった」
泣きながらも私はみっくんに笑顔を向ける。
みっくんはそんな私をただ黙ってじっと見つめてきた。
それだけでもう互いの想いが伝わってくるような気がした。
「みっくんはあの時の約束を守ってくれたんだね」
「え、A、思い出したの⁈」
「全部じゃないの、断片的にだけれど…でもね、一番大切だった記憶は思い出せたよ。私も、みっくんが世界中の誰よりも好き。みっくんの代わりになる人はどこにもいない」
私がそう言い終えるとみっくんがいつものあの大好きな笑顔で、ポケットから何かを取り出した。
離婚届だ、それを私の目の前で勢いよく破り捨てる。
「これはもう必要ないよね」
「…うん」
私が頷くのを見てみっくんはもう一度ポケットに手を入れ、私の左手を取ると指輪をはめた。
とても綺麗な一粒のイエローダイヤがそこには輝く。
「A、もう一度俺と結婚してくれる？」
「うん！」
みっくんからの2度目のプロポーズに笑顔を返したら、そのまま左手を引き寄せられ強く抱きしめられた。
あたたかなみっくんのぬくもりに包まれる、やっぱり私の居場所はここなんだ。
「みっくん」
「なに？」
「赤ちゃん、いなくなっちゃったんだよね」
「…ごめん」
「みっくんのせいじゃないよ…私こそ、ごめんね」
「いつかまた帰ってきてくれるよ。赤ちゃん、俺とAのところへ」
「うん」
見つめ合う二人の距離が近づいてやがてゆっくり唇が重なった、時。
「あら、みっくん来てたの？」
丁度お母さんが外出から戻ってきて、私達は慌てて身体を離す。
「お、お邪魔してます」
「お母さん、見た？」
「見てないわよ、あんた達がキスしてるとこなんて」
「見てたんじゃん！」
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
