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思わぬ連絡(side TSURIME) ページ38

真っ直ぐに伝えた真実に、彼女は凍りついたような表情で絶句した。

「そういうことだから、君の気持ちはとてもありがたいけど今まで通りこれからも視聴者さんとして応援してくれる?」
「結婚…って、え、嘘でしょ?」
「本当だよ」

それだけ言うと俺は彼女の横を通り過ぎ、アパートへ入ろうとした。
だけどそれを次の言葉で引き止められた。
仕方なくもう一度立ち止まるとそちらの方へ振り返る。

「待って!いいの、そんなこと言って。私が結婚のことネットに上げるとしたら?」
「いいよ。そのつもりで君に話たんだ、好きにして」

それは突然のことだった。
そう告げ終わると、いきなり俺は彼女に唇を塞がれていた。
この時Aが近くにいることに気がついていたら、あんなことになっていなかったかもしれない。
だけど俺は気づいてやれなかったんだ…Aに。

A以外とのキスに嫌悪感から背筋が冷たくなった。
すぐに彼女を押し退け身体を離す。

「すみません、もう帰ってください」

顔も見たくなかった、だから下を向いてそう言い残しそのまま足早に部屋に入った。
後ろ手で扉を閉めた直後、そこへ力なく寄りかかると手の甲で何度も唇を拭く。
A、A…
お願いだから、早くここへ来て。
今すぐAを抱きしめたい、そのキレイな色の唇に触れたかった。

「A…」

世界中で一番大好きで、愛しい人の名前を無意識に呟いたと同時。
ポケットに入れていた携帯が鳴り、Aからかと慌てて手にしたけれど、着信先はえいちゃんからだった。

「もしもし」
「みっくん?あの、とりあえず落ち着いて聞いて」
「なに、どうしたの?」
「Aが事故に合って、病院に運ばれた」
「…え、なに、どういうことなのそれ」
「説明はあとでするから、早く来て!」

放心状態でえいちゃんとの電話を切る。
少しの間、身動きが取れなかった。
どうしてA、一体何があったっていうんだ…?
そうだよ、こんなことしてられない。
我に返ると俺はえいちゃんから聞いた病院へ向かう為、再びアパートを後にした。

途中タクシーを捕まえて行き先を告げると、目を瞑りただ無事であることだけを祈り続けた。
病院までの道のりがやけに遠く感じて、ようやく到着すると代金のお釣りも受け取ることなくダッシュで院内に入る。
辺りを見回すとたくさんある中のロビーの椅子に座ってる赤い髪の後ろ姿を見つけた。

気づけなかった(side TSURIME)→←助けて



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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました!素敵な時間をありがとうございました! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます!最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます!あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます!!続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください!!!(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かえで | 作成日時:2019年4月9日 12時

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