香り（side TSURIME） ページ36
Aに触れると、いつも甘くていい匂いがした。
その香りに包まれたくて、俺はまたAを求めてしまうんだ。
「…俺って、最低だな」
腕の中で眠ってるAを見つめ、無意識に呟く独り言。
こんな時にまで自分の欲を抑えきれないとか、本当どうしようもない。
さっきまでの行為を大いに反省していると、何やら小さくAが寝言を言った。
最初は聞き取りづらくて、よく耳をすますとその呟きに胸が締め付けられるように苦しくなった。
Aへ小さく答えたら、抱きしめていた腕に力を込める。
「みっくん…いかないで…」
「大丈夫。どこにもいかないよ、ずっとAの傍にいる」
かわいい寝顔を見つめながら、どうすればこの問題を解決できるのだろうと考える。
これ以上Aばかりに負担は掛けられない。
その為には一体俺に何ができるんだろう。
そしてそれは思ったよりも早く、思いもしなかった形で訪れることになる。
この日から数日が経ち、大学から家へ戻ってきた時の出来事。
アパートの前にどこか見覚えのある人が佇んでいるのが見えた。
向こうも俺に気づいたようで、その瞬間笑顔をこちらへ向けてきた。
どういうことなんだ、これは。
「こんにちは、ツリメくん」
「どうしてここが分かったの？」
「Aに聞いたから」
「…Aは？」
「今は私だけだよ。ツリメくんにどうしても会いたかったから来たの」
その子は例のAの友達だった。
確か名前はトウコちゃんっていったか…
さすがにここまでされると怒りを通り越して呆れてくる。
やってることは卑劣極まりないが、だけど今回ばかりは返ってそれが好都合だった。
「なるほどね、これがストーカーってやつか」
「え？」
「ううん、こっちの話。Aがこの場所を教えるなんて絶対ありえないよ、君が勝手に調べたんでしょ。嘘はつかないで」
「嘘じゃないよ！ほんとにAから聞いたんだもん！」
「それはもういいよ。丁度良かった、俺も君に話がある」
「え、どんな？」
Aが気を使って言えないのなら、俺からはっきり言わないといけない。
これから周りがどうなろうと、大切なAをどうしても守りたい。
「Aと俺がどういう関係かって話」
「付き合ってるんだよね？それでも私はツリメくんが好き！諦められない」
「付き合ってないよ」
「え、だっていつも一緒にいるよね？普通の幼馴染には見えないよ？」
「そうだろうね。だって俺達、結婚してるから」
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
