えいちゃんにお礼 ページ28
「あの、この前のみっくんのことなんだけど」
「あぁ！うん、どうだった？」
「えっと…ね、なんか、みっくん今好きな人がいるみたいなのね」
「好きな、人？って誰？」
「え、それは分からないんだけど…だから、紹介とかはちょっとお断りしてると伝えてほしいって言われちゃって…」
「ふーん、そっかぁ」
みっくんはああ言ってくれたけれど、やっぱり結婚していることはどうしても言えなかった。
かと言って付き合っているということも、もしかしたら噂になって結果迷惑を掛けることになるかもしれない。
悩み抜いて、苦し紛れに一番当たり障りない理由を探した結果がこれだった。
なんて言われるかと冷や冷やしていたけど、直後トウコちゃんはにっこり微笑んだ。
「分かった。変なことお願いしちゃってごめんねA、ありがと」
「え、あ、ううん。こっちこそお役に立てなくてごめん」
「いいのいいの、それはもう忘れて！ほら授業始まるよ、教室いこ」
「う、うん」
これ以上食い下がられたらどうしようかと思ってたけど、トウコちゃんはこちらが拍子抜けするほどにあっさり納得してくれた。
良かったぁ…これでなんとか一件落着、って感じなのかな？
「なんだよ、またお前か」
アパートのインターホンを鳴らしたら、無愛想な口調と顔のえいちゃんが玄関のドアを開けてくれた。
えいちゃんにはトウコちゃんのことでお世話になったし、いちを報告しようと思ってアパートを訪ねたのだ。
そこで手にしていたお弁当の袋をえいちゃんに渡す。
「この前はありがとう。これ、お礼にご飯作ってきたから食べて」
「なんだいきなり、これちゃんと人が食えるようなモンなんだろうな？」
「大丈夫、えいちゃんならいける」
「どういうことだ、それ」
「いや、だからそういうこと」
「お礼とか言って結局人のことバカにしにきてんじゃねーかよ、まったく…もういいわ、中入れ」
普段通りの掛け合いのあと、えいちゃんにそう言われたものの。
この前みっくんから言われたことをなんとなく思い出し、部屋に入るのをためらった時だった。
携帯が鳴り出るとそれはみっくんで、あまりのタイミングに少し動揺してしまった。
「A？」
「うん、どうしたの？」
「ごめん、ちょっと帰り遅くなりそうだからもう少し待ってて」
「うん、分かった」
短い会話のあと電話を切って、みっくんまだ帰ってこないならと思い直す。
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
