ピクニック ページ22
今日はお花見日和の本当にいいお天気だった。
雲のない青空、風もないけれど吸い込む空気は春の匂いがした。
満開の桜が立ち並ぶ公園、その広場の芝生にみっくんと私は並んで座った。
そこで持ってきた手作りのお弁当を広げる。
ごくありきたりなおかずだったけど、中身を見てみっくんはすごいねって喜んでくれて、それがとても嬉しかった。
海苔じゃこおにぎりをニコニコしながら頬張ってるみっくんに、私も笑顔でお弁当に手を伸ばす。
なかなか大変だったけど、作ってきて良かったな。
「Aの料理はどれもおいしいね」
「そう言ってもらえると嬉しいけど、でもみっくんのお母さんに比べたらまだ全然だよ」
「そんなことないって！それにお母さん言ってたもん、Aちゃんと結婚してくれて良かったって」
「あ、それうちも言ってた」
「あとさ…」
「なに？」
「孫の顔早く見たいって」
みっくんからの言葉に一気に頬が熱くなっていった。
そんな私を見てみっくんは慌てたように視線をそらし、そして二人の目の前には2・3歳くらいの小さな男の子が楽しそうにボール遊びをしているのに気づく。
近い未来、親子3人でこうしてピクニックできたらきっと最高だろうなって思う。
「なんかさ、Aが台所でご飯作ってくれてるの見てるの好き。すごい幸せ感じる」
男の子を見守りながらぼんやりと未来の家族を描いていたら、みっくんが私にそう言った。
そんな風に思ってくれてたんだと少し恥ずかしくもあったけど、でもそれ以上にやっぱり嬉しかった。
「俺、Aと結婚できて本当に良かった」
「私もみっくんと結婚できて良かったよ。今とっても幸せ」
「俺も」
それから二人はまた顔を見合わせ微笑み合う。
その時一度、ふわっとあたたかな風が私達を包むように吹き抜けていった。
みっくんとこうして、ありふれた日々の中でずっと幸せを感じていられたらいいなと強く思った。
お弁当を食べ終えてからは、ここへ来る途中に買ってきたバトミントンをしてみたり。
疲れたら休憩して、お茶を飲みながらくだらない話で笑ったり本当に楽しい時間を過ごせた。
夕方になりアパートへ帰ってくると、とりあえずコーヒーを淹れて一息つく。
また明日から学校が始まる。
もう少ししたら実家へ戻ろうと考えていた。
「Aもう帰っちゃうんだよね」
「うん…」
「帰らないで」
みっくんが私へ顔を近づけてくる。
目を閉じた直後、重なる唇に私もこのまま離れたくないって思った。
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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (
レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました！素敵な時間をありがとうございました！ (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます！最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます！あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます！！続き楽しみに待ってます！更新頑張ってください！！！(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年4月9日 12時
