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秘密 ページ13

「Aって彼氏いるの?」

大学にて、講義の合間の空き時間。
校内にある中庭のベンチに座って、友人とコーヒーを飲んでいた時のことだ。
これにどう返答したらいいのか少し悩む。

「あっ、えーと…いない、かなぁ」
「そっか。実は私も!」
「はは、一緒だねぇ…」

間違ってはいないはず。
だってみっくんは彼氏じゃなくて、旦那さんなんだもん。
でもこういう時どう答えたらいいのか困ってしまう。
結婚したことは秘密、その距離の取り方を今は思案中だ。
とにかくみっくん達の為に、絶対バレるようなことだけは避けなきゃ。

「受験もやっと終わって晴れて女子大生になれたワケだし、お互い早いとこ彼氏欲しいよねー」
「…うん、そうだね」

何も知らない友人に軽い相槌をうつと、手にしていたコーヒーを飲み干した。
なんだか騙しているみたいですごく後ろめたい気分だった。


明日は学校が休講なので、講義が全て終わるとそのままアパートへ向かった。
ここへ来る途中みっくんに連絡を入れたら私より帰りが遅くなるみたい。
この日の夕食の買い物を済ませて、袋を片手に合鍵を使って部屋へ入る。
みっくんのいないしーんと静まり返ったそこはなんとなく寂しい。

今日はちょっと疲れちゃったな。
先にシャワーでも浴びてさっぱりしようと、そのまま浴室へ向かうことにした。
蛇口を捻ると熱めのお湯が、身体を温めリラックスさせてくれる。
全身を洗い上げていけば、心も一緒に清められたように少しすっきりとした気分になれた。

「あ、着替え部屋に忘れた」

シャワー後、タオルで髪を拭き終わると大切なことに気づき、つい小さな独り言が口をつく。
でも今はみっくんいないし、速攻で支度すれば大丈夫かと安易に考えながら浴室を出た私は、そこでそんな自分に激しく後悔した。

「あっA、ただい、ま…」

なんと、いるはずがないと思ってたみっくんがそこにいたのだ。
バスタオル一枚を身体に覆っただけの私に気づいて、みっくんは呆然としている。

「き…きゃあーーーぁぁ‼みっくんっ、あ、あっちっ、あっち行ってーー‼」
「えっ、え、あっちってど、どっち⁈」

ただ慌てふためく二人。
そんな時、少し濡れていた足元が滑って私は身体のバランスを崩してしまう。

「っ、きゃ⁈」
「あ、あぶないっ、A!」

みっくんが素早く腕を伸ばし私を支えてくれた瞬間、二人はそのままその場に派手に倒れ込んでしまった。

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かえで(プロフ) - まりさん» 私には勿体ないくらいのお言葉を頂き本当に嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (2019年6月5日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 好きです。この小説を読んでる時間とても充実してました!素敵な時間をありがとうございました! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 367abc2ae5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - こーひーまめさん» いつも読んで頂きありがとうございます!最後まで頑張りますのでぜひお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - えだまめさん» 有難いお言葉を本当にありがとうございます!あと少しで最終回を迎えます、最後まで頑張りますのでお付き合いください。 (2019年6月3日 17時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
こーひーまめ - いつも見てます!!続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください!!!(o^^o) (2019年6月2日 23時) (レス) id: cfb9147a2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かえで | 作成日時:2019年4月9日 12時

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