90. ずっと ページ40
言われるがまま私はてつやへと近づいて、その手を取るとそのままベッドに引き込まれた。
突然のことに閉じていた瞳を開くと、上になっているてつやがじっと私を見つめていた。
その表情があまりにも切なげで色っぽくて、胸の鼓動が一気に早くなる。
動揺する私にてつやが口づけてきた。
角度を変えて何度も、深くなるキスを私は必死で受け止めて。
甘い吐息が幾度も溢れる、だけどそれ毎飲み込まれるようなキスにもう何も考えることができなくなっていった。
「A…」
唇が離れた時、てつやが私の名を呼んだ。
そっと目を開けたのと同時に、てつやが私の首元に顔を埋めると耳元で呟いた。
「たまに怖くなるんだよ、お前が俺の前からいなくなったらって…」
それは思いがけない告白だった。
「てつや？」
「今がマジ幸せ過ぎて、突然お前がやっぱり俺じゃない誰かを選んだらって考えるとどうしようもなく怖くなる…」
そう告げるてつやの体が少し震えている。
私はそんなてつやの首にそっと腕を回して力を入れた。
「どこにもいかないよ。私はずっとてつやの側にいる、だから安心して」
私の言葉に顔を上げたてつやが再び激しく口づけてきた。
一瞬二人が離れたら、おでことおでこが重なる。
「今日俺、優しくしてやる自信ない…このままお前の事めちゃくちゃにするかもしれない、それでも許してくれるか？」
小さく呟かれたその声に私は答えた。
「いいよ、てつやだったら何されても大丈夫。だからてつやの好きにしていいんだよ」
額から小さなぬくもりが離れたのを感じてすぐのこと、てつやの唇が私の唇を塞いだ。
さっきまでのキスよりも、もっと深くもっと熱く。
この日のてつやはいつものてつやと違っていた。
少し乱暴で激しくて、私はそれでもそんなてつやの全てを受け止めようとした。
受け止めたかった…
「んっ、ふ…」
てつやに突き上げられる度、私の口からは吐息が漏れる。
意識はすでに朦朧としていて、感覚も麻痺して。
もう私はてつやのされるがままになっていた。
「A、A…」
遠のく意識の中、微かにてつやの声が聞こえる。
「A好きだ、A…愛してる」
「私も…愛してるよ、てつや…」
その瞬間、私は意識を手放していた。
それからなんだかとてもあたたかな何かに包まれて、私は穏やかな気持ちで眠りにつく。
きっとこれはてつやの優しい腕の中だね。
なんだか、本当に夢の中にいるみたい…
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
