88. 幸せになれ ページ38
「ねぇとしみつ、久しぶりに買い物付き合って」
リビングでゴロゴロしていたとしみつにそう声をかけたら、私をチラッと見て手元の携帯を操作しながらとしみつは言った。
「いいけど、俺よりてつやと行けばよくね？」
「分かってないなぁ、てつやと行ったらどうなるか考えれば分かるでしょ？」
「まぁ確かに…」
「たまにはいいでしょ、付き合ってよ」
「あー分かった、分かった」
としみつは立ち上がるとソファーに無造作に置いてあったジャケットを羽織る。
「行くぞ」
「うん！」
あー良かった、最近服全然買ってなかったし。
としみつがいてくれればやっぱり安心だな。
本当に久しぶりのショッピングに心は踊っていた。
としみつが車を運転してくれて、市内の大型ショッピングモールまでやってきた。
二人で色んなお店を回って、その都度としみつがアドバイスしてくれて。
こんな感じもいつ以来だろうと少し懐かしい気持ちになっていた。
結局としみつ自身も気に入った服を何着か買って、私達はモール内にあるカフェで少し休憩。
「今日はありがとね、久々いい買い物できた」
「俺のアドバイスが良かったからな」
「それな」
私達はお茶を飲みながらたわいもない話で笑い合う。
なんだかとてもほっこりする時間。
「ねぇ、これからも良かったら買い物付き合ってくれる？」
「てつやがいいならな」
「え、てつやは関係ないじゃん」
「少しはあるだろ、お前ら夫婦になんだろ？」
結婚するとみんなとの関係が微妙に変わってしまうのかな。
それってちょっと悲しいな…
なんて、ちょっぴりしゅんとしている私を気にしたのか、としみつがすぐに話しを続けた。
「まぁあれだな、てつやはいちいちこんなことで口出さねぇか」
「え…？」
「Aが付き合えつーなら俺はいくらでも付き合うからさ」
「本当に？」
照れてそっぽを向いてるとしみつを見て、そのとしみつらしさに胸が熱くなる。
いつまでも変わらずいい仲間でいられたらと心から思った。
手に持ったカップを見つめてそんなことを考えていると、としみつが口を開く。
「あいつらといると茶化してばっかりでさ、きちんと言えなかったから今言うわ。そのかわり誰にも言うなよ」
「え、なにを？」
「Aにはてつやが一番合ってると思う。良かったな、てつやがAへの気持ちに気がついて」
「…うん」
「A」
「なに？」
「幸せになれ」
としみつのその一言に泣きそうになって、私は咄嗟に俯いた。
「…ありがと」
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
