63. 土下座 side TETSUYA ページ13
「A、入ってもいいか？」
扉の向こうのAに呼び掛けるが返事はない。
恐る恐るそっとドアを開いてみる。
するとベッドの上で毛布に包まって座っているAがいた。
俺が入ってきたことに気づくとこちらからさっと顔を背ける。
まぁ、無理もないよな…
ドアを閉めるとAの前まで移動して、その場に座ると俺は思いきり土下座した。
「A、すまなかった‼」
その瞬間、顔を伏せた俺には今Aがどんな表情をしているのかは分からない。
だけど、とにかく謝るしかないと思った。
「昨夜は全部俺が悪い、本当にごめん！だから頼む、俺と別れるとかは絶対やめてくれ‼」
頭を下げたまま時だけが流れていく。
どれくらい経ったのだろう、俺にしてみれば物凄く長い時間に感じた。
「頭上げて、てつや」
Aがやっと口を開いた。
ゆっくり顔を上げたら、無表情のままのAが俺を見てる。
やはり許してもらえないのか…
絶望的な気持ちになる俺にAが言った。
「私、てつやとつきあってるつもりないんだけど」
それは意外な言葉だった。
「は、じゃあ今の俺達はなんなんだよ」
「う〜ん、私の未来の旦那に相応しいかどうかのテスト期間というか…」
「はぁ？なんだそりゃ…」
いやいや、ちょっと待てよ。
て、ことは…
「あのぉ、そうすると昨日の一件は…」
「分かるでしょ？かなりの減点よ」
あまりのショックに言葉を失う。
がっくりとうな垂れる俺を見て、Aがクスクス笑い出した。
その笑い声に思わずまた顔を上げる。
すると俺を見て優しく微笑むA。
「私の方こそごめんね、ちょっとあれは言い過ぎたね」
この時、心からこいつが好きだと思った。
俺にとってAは、本気でいなくなったら困る人なんだと改めて気づかされた。
どうして今まで気づけなかったんだろう…
それが今はこんなに悔しい。
「てつや、こっちにきて」
Aがそう言うと、俺に向かって両手を広げた。
俺はAの目の前でしゃがみ込む。
すると首に腕を回してAが抱きついてきたから、それを俺も背中に腕を回して全力で受け止める。
Aの腕に力がこもるのを感じて、自然と笑みがこぼれた。
それからしばらくして、俺から離れたAの唇が俺の唇に重なった。
それは一瞬だったけれど、鼻と鼻がくっつきそうな距離にいるAが目の前でかわいく笑ってる…
これはかなりヤバイぞ。
負けるな、耐えろ！
俺の理性‼
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
