52. そうだ温泉にいこう ページ2
「なんか最近寒いよなー」
「そうだね」
「こう寒いと体が冷えて冷えてしょうがねーよな」
「そうだね…」
「やっぱり寒いこの時期は温泉なんかにゆっくり浸かりたいもんだよな、なぁA」
「あー温泉いいね」
「そうか⁉そうだよなうん、じゃあ温泉いこう!」
「…はぁ?」
それまではまったくの無言だったのに、テーブルでお菓子をボリボリしながら動画の編集をしていたてつやがいきなりそんなことを言い出した。
ソファーに座りテレビを見ていた私はてつやの話を聞き流していたんだけど…
「なに、唐突に」
「だから温泉にいこうと誘っている」
怪しい、怪しすぎる。
絶対これは何か裏があるに決まってる。
だってなんで突然温泉なんかいこうなんて誘ってくるの?
「一人で行ってくれば?」
「おいおい、お前さっき温泉行きたい言ったよな?」
「私は温泉いいねと言っただけで行きたいとは一切言ってない」
「そんなことおっしゃらずぜひ俺と温泉行ってくれ‼ 」
…これはもう明らかに必死過ぎるでしょ。
私はじとっとした目つきでてつやを見る。
「何企んでるの?」
「え?別に、何も企んでなどいませんが?」
「声裏返ってんじゃないのよ」
「そんなことはない!と、とにかくだ。岐阜に良さげな温泉を見つけたのだ、そこへ一緒に行ってくれ」
「…はぁ、もうなんなのよ。しょうがないなぁ、日帰りでならいくよ」
「日帰りだと?とんでもない、もちろん泊まりでだ」
「ふーん、じゃあ行かない」
「そんなこと言うなよ!もう予約したんだぞ」
「はぁぁ?何勝手なことしてんのよっ、キャンセルすればいいでしょ」
「それは断じてお断りだ」
「あんたに断る権利なんてないわよ!じゃあとしみつとでも一緒に行けっ」
「なんでとしみつと二人で温泉行かにゃならんのだ!」
という言い争いをこの後深夜まで繰り広げることになった…
疲れた、もう本当に疲れた。
で、結局根負けして渋々行くことにしたけれど。
それで浮かれまくっているてつやの姿を見るともう本当に不安しかない。
でも温泉か…もう随分行ってないもんね。
てつやと一緒ってのはまぁちょっと置いといて、温泉自体は楽しみかもな。
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました!これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは!完結おめでとうございます!てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です!これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます!(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね! (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました!今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです!!!子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´;ω;`) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい!もちろんです!頑張ってください! (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえで | 作成日時:2018年1月24日 11時