エイリアンズ Vol.2【東海オンエア】

65. 企画会議 ページ15

「今回の企画はAメインでいこうと思う」

ただいまリビングでみんな輪になり会議中。
次回上げるメインチャンネルの企画について、てつやからの説明を聞いているところ。

「…私メイン？」

今度はなにさせる気？
たまに私中心の企画はあるけど、毎度毎度無理難題ばっかり押しつけられる。
最近ので言えば、私が青少年&メンバー相手に性のお説教をする先生物をやらされた…
ちなみに格好はジャージに竹刀持たされるっていうね。
(自分の気持ちとは裏腹にこれが視聴者さんには大ウケだった)
まぁそんな感じなんでもう今回も不信感しかない。

「今回はA、キャバ嬢やれ！」

はい、きたコレ。
まーたてつやがバカな企画考えてきたぞ！

「やだよ」
「A一言で企画バッサリ切った！」

としみつの言葉にてつや以外のメンバーに笑いが起こる。
しかしてつやだけは至って真面目、真面目も真面目、大真面目だった。

「やだじゃないやれ、これはリーダーとしての命令だ」
「いちを聞きますけどなにすればいいの？キャバ嬢って…ん？あれ、お酒？お酒飲めばいいの？」
「違う、ここにいるメンバー全員全力で口説き落とせ」
「…はぁぁ⁉」

なんつー企画を考えやがったんだ、このバカは。
もう呆れ過ぎて魂宇宙に飛んでっちゃう勢いだよ！
言葉もなく唖然としていたら、てつやが紙袋を何やらゴソゴソしてあるものを取り出した。
それがまた私を呆れさせる。

「これを着てだ！」

手にしているのはキャバ嬢が着ているような煌びやかなドレス、しかもミニ。
それを見て一同からおーっていうどよめきが起きた。
そのチョイスにも腹が立つけど、こいつどのツラ下げてこれ買ってきたんだ。

「A、まずはこれ着てみろ」
「やだやだっ！ぜぇーったいやだ‼」
「ワガママいうなっ、これも仕事だ！」
「今日をもって東海オンエア辞めさせていただきます」
「ふざけるな、そんなことが通用するとでも思ってんのか」
「誰が一番ふざけてんのよ‼」

そんな私とてつやの小競り合いの中、りょうくんが一段とすてきスマイルをたたえて言った。

「でもこれ着たAちょっと見てみたいけどね」
「え？」

まぁ、りょうくんがそう言うなら着てみないでもないかな…

「…じゃあ、ちょっと着てみようかな」
「うん着てみなよ、絶対似合うよ」
「私、着替えてくる」

てつやからドレスを受け取ると、私は自室へ向かう。
背後ではてつやの声が聞こえた。

「りょう、グッジョブ！」

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