高校時代、からの今 ページ5
「ねぇえいちゃん、これ見てよ！超おもしろいから！」
ツボに入った動画に笑いながら顔を上げると、なぜか驚くほど近くにえいちゃんがいた。
え、なにこの至近距離。
一気に心臓が跳ね上がって、すごい速度で動き始める。
更に近づいてくるえいちゃんの顔にドキドキが加速していく。
な、なに？なにする気なの？
思わず固く目を瞑ったのと同時だった。
「おまたせー！あれ、Aも来てたんだ？」
丁度そらが部屋に入ってきて、すぐにえいちゃんとの距離はまたいつもの感じへと戻っていった。
「他の二人は？」
「ん？まだ来てねーよ」
「なにやってんだアイツら。ちょっと電話してみるか？」
えいちゃんとそらの会話にも上の空になっていた。
まだ心臓がすごい勢いでドキドキいってる。
なんだったんだろ、さっきの。
彼には思わなかったこの気持ちに自分でもかなり戸惑った。
そう、えいちゃんとならいいかなぁって…
そして現在。
リビングにて私の背後のソファーで寝転んで、携帯をいじってるえいちゃんの方へと振り返る。
やっぱり、キスをするならえいちゃんとがいい。
そんな夢がいちを叶ったことになるのかな。
私の視線に気づいたようで、えいちゃんも携帯から視線を外してこちらを見てきた。
「なんだよ」
「別に、ちょっと高校の頃のこと思い出してた」
「どんなこと？」
「内緒」
「もったいぶってんじゃねーよ」
早く教えろって急かすえいちゃんのこと笑ってたら、身体を起こし身を乗り出してきたところでキスされた。
ちゅって軽く音を立てすぐ離れてしまったけど、目の前のえいちゃんが私に囁く。
「俺とのキスは嫌がらないんだな、お前」
「えっ」
ニヤっと笑ったえいちゃんのこと、びっくりしながら見つめてしまう。
それってもしや、あの時のこと言ってる？
「もっとする？」
「…うん」
えいちゃんとのキスは甘くてトロけそうな、とても幸せな気分にさせてくれるよって、あの頃の自分に教えてあげたいな。
まぁそのうち分かることなんだけどね。
end.
何が起きても顔色を変えてはいけない！！【ポーカーフェイスゲーム】→←高校時代
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作者名：かえで
| 作成日時：2019年2月27日 22時
