高校時代 ページ4
私だってね、これでもいちを高校の頃に彼氏がいたこともあったんだよ。
だけどね…
今日あったことやクラスメイトの話題なんかを話しながら、彼と並んで歩く学校帰り。
分かれ道まで来ると私達はそこで立ち止まった。
「じゃあまた明日ね」
「うん…ねぇ、A」
「ん、なに?」
名前を呼ばれて返事をした時、彼が私の手を握ると顔を近づけてきた。
え、これってもしかしてキスされる…?
なぜかそう感じた瞬間、身体が拒絶してしまい私は咄嗟に俯いてしまった。
「Aじゃん、今帰り?」
今度は背後から声を掛けられる。
振り返ればそこにいたのはえいちゃんで、余計どうしていいか分からなくなった。
なんかヤダな、えいちゃんに彼といるとこ見られるの。
「これから撮影やるからお前も来いよ」
「う、うん。あ、じゃあまたね」
私達の横を通り過ぎて先に行ってしまったえいちゃんのことを、彼に別れを告げると慌てて追いかけた。
「さっき、キスしてた?」
「は?な、なんでそういうこと聞いてくんの?バカじゃない」
「バカって言う方がバカって昔教わらなかったか?」
「めんどくさいな、もう…してないからね、キスなんて」
「あっ、そ」
「自分から聞いておいてなにその態度は!」
その後一旦家へ帰ると、着替えを済ませてからえいちゃんちへ向かった。
真っ直ぐ部屋へ行くと、えいちゃんはそこでゴロゴロしながら携帯を見ている。
私はその近くに適当に座った。
あとからそらやみっくん、りっくんも来ることになっているようだ。
なので今は三人を待つことにする。
そんな合間なんとなくさっきのことを思い出し、えいちゃんに尋ねてみた。
「なんか、さ。付き合ったらキスってしないとダメなの?」
「なんてこと聞いてくんだよ、お前は…そりゃ普通はそうなんじゃねーの?」
「したくない場合はどうしたらいい?」
「お前それ本気で彼氏好きなのかよ」
「…好きじゃないのかも」
「なんだよ、それ」
そう言って呆れたように溜息をつくえいちゃん。
そりゃそうだよね、私自身呆れてるもん自分のこと。
こんな気持ちのまま付き合ってるのっておかしいよね、やっぱり。
それからえいちゃんの横顔を見ながらふとある考えが浮かぶ。
もしもえいちゃんとキスしたら、どんな感じなのかなぁって。
…何考えてんだ私は。
そんな気分を一新する為、携帯を取り出し動画でも見ることにした。
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作者名:かえで | 作成日時:2019年2月27日 22時