誕生日後日談 2 ページ27
「はいはい、いいからさっさとそっち詰めて」
「ちょ、せまっ」
私のベッドに二人並んで横になる。
するとえいちゃんの腕が伸びてきて抱きしめられるとぎゅってされた。
あたたかなぬくもりに包まれて、えいちゃんからはいい匂いがしてなんだか急激に睡魔に襲われる。
朝からずっとフル稼働してたツケが今になって一気にやってきた感じ。
「なぁ、A」
「んー、なにぃ…」
「昨日は色々ありがとな」
「いえーどういたしまして。満足してもらえた?」
「いや、してない」
「…え、本気で言ってる?」
それ、どういうこと?
えいちゃんからの思いもよらない返事に眠気も吹っ飛ぶ。
えっえ、私プレゼント渡し忘れてないよね?
いーや、そんなことはない渡した!
前から欲しがってたスニーカー、確かに渡しましたよね?
「なに、まだなにか欲しいものがあるの?」
「ある」
「…もー、なに?」
「A」
迷いなくそう答えたえいちゃんが、一瞬のうちに私を組み敷く形で上になった。
その言葉の意味に顔が熱くなってく。
「あともうひとつ、叶えてほしいことがあるんだけど」
「えっ、まだあんの?」
「そろそろマジで結婚してくれる?」
こんな体勢で言うことではない気がするんだけど…
このおかしな状況に思わず笑ってしまう。
「えいちゃん、欲張り」
「誕生日くらいいーじゃねーかよ、欲張っても」
「まぁ、ね」
「返事は?」
「末永くよろしくお願いします」
「こちらこそ」
えいちゃんと二人、微笑み合ったあと私達の唇が重なった。
そんな夜を過ごした、今はその翌日の朝。
サラサラの赤い髪に触れると、えいちゃんの瞳がゆっくりと開いてお互いの視線が重なり合った。
「おはよ」
「ん、おはよ…」
まだ眠そうに何度か瞬きしたあと、えいちゃんが私に言った。
「昨夜の約束、忘れんなよ」
忘れる訳ないじゃん、あんな大事なこと。
だからえいちゃんも必ず守ってよね。
二人の新しい朝、それは希望の朝。
end.
Happy 23th birthday EIJI !
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作者名:かえで | 作成日時:2019年2月27日 22時