OUR LIFE【アバンティーズ】 (ページ13)

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青空は天気雨【スクールアウトサイダーサイドストーリー】2 ページ13

今日もいつものように放課後、私は屋上へと向かう。

エイジ、来てるかなぁ…
大きな期待とトキメキを胸に抱いて、一歩一歩、着実に登っていく階段。
屋上へと続く扉を開けようとした時、そこから人の気配を感じて、私のドアノブに掛けた手がピクリと止まった。

「私、エイジくんのことが好きです」

小さかったけれど、確かに聞こえてきたとてもストレートな告白の言葉。

これはもしかして…
その時、私の胸の鼓動は壊れてしまったのではないかと思うほど、ドクドク早い速度で波打ち始めていた。

「ごめん。俺、他に好きなヤツいるから」
「あの、少しだけ私のこと、考えてみてもらえないかな？諦めたくないから、エイジくんのこと」
「…本当にごめん。あいつ以外は考えられない」

暫くしてからパタパタという小走りに駆けてくる足音が、こちらに向かってくるのを感じた次の瞬間。
目の前の扉が大きく開いて女の子がそのまま階段を足早に下りてゆく光景を、私はただぼんやりと眺めてしまっていた。

あの子、泣いてた…

「エイジ！」
「わっ⁈な、なんだ…Aかよ。でかい声出してんじゃねぇ、びっくりすんじゃねーか！」
「好きな人いるの？エイジ…」

思わず大きく屋上へ続く扉を開いてエイジの下へと駆け寄る。
無意識の行動。
だけどそんなことを聞いて、私は一体何をどうしたいのだろう。
こんなことしたら、私達の今までの関係があっさり壊れてしまうかもしれないのに。

「お前、さっきの聞いてたの？」
「聞こえてきちゃったの。で、どうなの？それって、私の知ってる人？」
「いいだろ誰でも、お前には関係ねーよ！」

なぜかふいに頬を伝っていく涙。
どうしてこんな時に気づいてしまったんだろう。
そうだ、私はエイジが好きだったんだ。
この例えようのない胸の痛みは、さっきのあの子に自分を重ねてしまったから。
きっとあの子は、未来の自分だ…

いきなり泣き出した私に驚いた様子で、目の前のエイジが慌てる。

「おい、なんだよA⁈なんで泣いてんだ、お前…」
「な、なんでもないっ」

この場に居たたまれなくなった私は、踵を返し走り出す。
教室に一度戻り荷物を手にして駆け足で学校を後にしようとした、のだけれど。
昇降口から外へ出ようとした時、目の前はどしゃぶりの雨。
さっきまでは、あんなに晴れていたのに。

今の、私みたいと思った。
空を仰げば、そこに広がっていたのは眩しいくらいの青。
それは、天気雨。