OUR LIFE【アバンティーズ】 (ページ2)

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キスしてほしい 2 ページ2

「キスしてほしいなぁ、Aから」
「無理っ、そんなの絶対出来ない！」
「俺のこと愛してないんだ…」
「はぁ？」
「愛してたらちゅーのひとつやふたつできるよな？」

なんなの、このコントのような展開はっ！

「Aがちゅーしてくれないならもう編集なんかしなーい」
「しなきゃいいでしょ、別に」
「うるせー！いいからさっさとしろよぉぉ、ちゅうー‼」
「なんじゃ、そりゃー⁈」

もうワケワカメである…
段々不貞腐れてくるえいちゃんに呆気に取られるばかりだけど、ちょっとかわいいかもって思っちゃってる自分もどうかしてる。
こんなにえいちゃんのこと好きなのになぁ。
でもそれで分かってもらえるのなら、勇気出してみようかな。

「じゃあ、目瞑ってよ」
「え、してくれんの？」
「するから早く！」

私の無理矢理な催促にえいちゃんが目を閉じて、ご丁寧にこちらへ唇を差し出してきた。
覚悟を決めてえいちゃんの両肩を両手で掴むと唇をそこへ寄せようとした、丁度その時。

「ねぇ、えいちゃん。ここ教えてほしいんだけど」

って、ノートパソコン片手にりっくんが部屋に入って来て、咄嗟にそちらを見た私と速攻で目が合った。

「きゃーーー‼Aがえいちゃん襲ってるぅーー‼」
「ちょっ⁈ま、まって、りっくん‼」

慌ててりっくんの後を追おうとしたら、この騒ぎを聞きつけたそらがすぐさま部屋へ駆けつけて来た。

「ダメでしょー、A！はーい、これはもう婚約破棄でーす」
「あぁ？意味分かんねぇ、勝手なこと言ってんなよ、そらっ」
「ちょっとまって、みんな落ち着いて！」

…ねぇ、こんな環境にいたらさ。
甘々でラブラブな生活なんて夢のまた夢だと思わない？
でもね、私は結構気に入ってたりするっていうことは、えいちゃんには内緒だけどね。

end.