OPEN SESAME 【東海オンエア】 (ページ7)

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7. 大変なんだなページ7

「あのぉそう言えば今日お仕事はいいんですか？」
「あぁ、丁度今日は休み」
「そうなんですか…」

としみつさんが買ってきてくれたスニーカーを履いて、更にとしみつさんから借りたジャケットを羽織って、私達は並んで街の中を歩いていた。
扉を開けたらとしみつさんが目の前にいたのもそうだけれど、こうして二人で街を歩いているのも夢の様な話なんだよなぁと呑気に思っていたら。

「あの、東海オンエアのとしみつさんですか？」

可愛らしい女子高生二人組みに声を掛けられた。
(厳密に言うと、としみつさんにだけなんだけれども)

「そうだけど」

としみつさんがそう答えたら顔を見合わせて喜ぶ女の子達。

「サイン、貰えないですか？」
「あぁ、いいよ」

ペンと手帳を受け取ってさらっとサインをしていくとしみつさん。

「はい」
「ありがとうございました、これからも頑張って下さい！」
「応援してます！」
「ありがとう」

にっこり微笑む女の子二人組みにとしみつさんはお礼を返してから私達はまた並んで歩き出した。

「隣の人、彼女かなぁ」
「えぇ、彼女いないって話だよね？友達とか？でも何か普通の人だったね」

すいませんねぇ、普通の人で。
安心して、女子高生達よ。
私は残念ながらとしみつさんの彼女じゃございませんっ！
背後から聞こえてきてしまった女の子達の会話に心の中でつっこみを入れていたら、ぼそっととしみつさんが呟いた。

「あの子達は俺達のことどう見てんだろな」
「どうって、どうしたんですか急に」
「なんか特に最近やたら声掛けられることが多くなって、ありがたいけど戸惑うことも多いんだよな。アイドルじゃあるまいし、どんな顔してたらいいか分からなくなる時があるっつーか」
「なるほど。有名になると色々複雑なんですね…」

きっと最近の東海オンエアの取り上げられ方に、としみつさんはちょっと疑問を抱いているのかも知れないとなんとなくそんな風に感じた。
だけどそれはやっぱり一番に面白いから当然のようにみんなが東海オンエアを知って、有名になっていくのは必然だったように私は思う。

「でもまぁ東海オンエアめちゃくちゃ面白いですからねぇ、そうじゃなかったらこんなに有名になれないですよ。そういうとこ見てる側はシビアに見てるもんです。今の自分に胸張っていいんじゃないですかね」

としみつさんを見ると笑顔で私を見ていてくれてて、それが嬉しくて思わず私も笑顔になった。
そんなあなたが私も大好きだ。