第玖話 ページ10
○柱side
私たちは言われたように
あの子の刺された腕を見ていた
もし、本当に鬼だとしたら
どうしてお館様は
この場所に連れてきたんだ?
ふらっ
その瞬間その子が倒れそうになった
あぶない、
カ「大丈夫?」
!!
倒れそうになったその子をカナエが
受け止めていた
「…おい、何やってんだ?カナエ
そいつは“鬼”だぞ?」
そう言われるとカナエはゆっくりと顔を上げて
はっきり言った
カ「この子は鬼じゃないです
見てください、腕の血がとまってない
それにお館様の命令なしに
そんなことをしてはまずいのでは?」
カナエがそう言うとそいつは舌打ちをして
黙った
カナエはそれから手早くその子の
手当てをし始めた
私はその姿を見て、なんとなく苛立っていた
昔からカナエは鬼をそこまで憎んでいない
むしろ、助けようとしている
私はその理由が全く分からなかった
○柱「…どうしてお前はそこまでできる」
私がそう聞くと
カナエは薄っすら微笑んで言った
カ「鬼はもとは人間だったんですよ
私たちとおんなじ
だから、助けたいんです」
○柱「…いつか、お前が
上げ足を取られることになるぞ」
カ「それでも私は助けたいです」
そう言ったカナエの顔は
希望と決意にあふれていて、
私はそのあと何も言えなかった
106人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:千夜 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2019年4月14日 11時