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第陸話 ページ7

小夜side



ポツン




ポツン





ポツン














これはなんの音だろう、




かすかに自分のおでこに冷たい感覚があった





私がゆっくりと目を開けると




そこは薄暗く湿ったところだった




よく見ると近くに鉄格子があった




ポツン





、なんだ、





どうやら私のおでこには冷たい雨水の


しずくが落ちているようだった






ここはどこだろう





私は身体を起こし、鉄格子の方に近づこうとした




しかし、それはできなかった









!?








私の腕には鎖のようなものが付いており



その鎖が壁にくっつけられていたからだ





私は落ち付いてあたりを見回した






!?





もしかして、ここは







独房?









「気がついたか、」



1人の男が私に話しかけてきた


私が黙っているとその男は牢屋の中に入ってきて


言った



「出ろ、お館様がお待ちだ」



そう言ってその人は私につけられた


鎖を壁から外した





『…ここはどこですか?

お館様とは誰ですか?』



私が聞くとその男の人は私を睨みつけて言った



「口をつつしめ!

お前は自分の罪を忘れたのか!

老夫婦を殺したのはお前だろう!



この醜い鬼め!!」



一気にいろんな情報が頭に入ってきた


が、どんな情報よりも


衝撃的だった









鬼?









私が?









ありえない、私はずっと









おば「小夜はすごいねぇ、」

おじ「小夜はえらいなあ、」


ふいに2人の言葉を思い出した




そうだ、ずっと私はあの2人の娘だった




鬼なんかじゃない



私は、私は








血だらけの2人が脳裏に蘇る



そうだ、




あの鬼だ



2人を…殺したのは





でも、その言葉は口には出なかった







だって、







どんな理由があれ








あんなことが起きたのは私のせいだから

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作者名:千夜 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2019年4月14日 11時

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