第廿玖話 ページ32
義勇side
!
おかしい!
俺はさっきあいつと一緒にあの館に入ったはずだが
何故だか水無瀬の里に戻っていた
しばらくすると
あたりの草陰がグニャと曲がり誰かが出てきた
!!
そこから出てきたのは腹から大量に血を流した
あいつだった
義「そのケガ、いったい何があった!?」
明らかに普通なら立ってもいられないような
ケガをしていたあいつを見て
俺がそう言うとあいつはフッと笑って
『大丈夫です…
私は鬼ですから』
と言った
そう言った瞬間
あいつの腹に空いていた大きな穴は
跡形もなく消えていった
ああ、本当にあいつは人間じゃないんだな
そう思った
後から聞いた話だがあいつは鬼舞辻無惨とあった
らしい
今まで柱の中でもそいつと会ったものはいないし、
生き残ったものもいない
だからこそ思った
やはりあいつは特別なのだと
それから任務を終えて、あいつと別れようとした
お館様からの直々の任務だったが
結局何も分からずじまいだったな
そう思っているとあいつが話し始めた
『ありがとうございました、
水無瀬一族のこと教えてもらって』
義「…別に俺は何もしてない
お前に力があったから分かったことだろう」
『…そんなことないですよ
私は力がなかったから今までたくさんの
人を失って、
そして鬼みたいになった
最悪じゃないですか
力がないからそうなったんです』
義「…」
『だから義勇さんの方がずっとずっとすごいです
今はどこか自信がなさそうだけど
これからも義勇さんのおかげで
たくさんの人が救われると思いますよ
だから自信を持ってください』
そう言ってあいつは優しく笑って、
歩いていった
それからしばらくたって
あいつが柱になったという知らせを受けた
その知らせを受けてすぐのことだった
俺は竈門炭治郎と出会うことになる
その出会いから俺の中の何かが少し変わろうとしていた
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作者名:千夜 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2019年4月14日 11時