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第10話赤犬と大好きな手(赤犬目線) ページ12
わしとあの人魚と出会ったのは人気のない場所じゃった。
サカズキ「人魚？」
A「ああ、人魚だ。」
サカズキ「……初めて見たのう。」
A「そうか。」
優しい手つきでわしの頭を撫でた。その手がなにより嬉しかった。
サカズキ「……優しいな。」
A「そうか？」
サカズキ「……何処から来たんじゃ？」
そう聞くと悲しそうな顔をした。
A「"分からないんだ"。」
サカズキ「……故郷も分からないのか？」
A「ああ…どこから来たのか…分からないんだ。」
サカズキ「わしが見つけちゃる！」
A「え？」
サカズキ「わしが探して送り届けるんじゃ！」
A「……そうか。楽しみにしてる。」
じゃがそれは叶わぬ夢となった。目の前で海賊共が人魚を殺した。大切な人魚を目の前で…許さない…許さない！！皆殺しにしてやる！！
サカズキ「人魚…！！」
A「……さか…ずき…ごめ…んな…」
サカズキ「い、今助けを！」
A「……」
サカズキ「人魚！人魚！！」
お主が死んでもう何十年も経つ。
サカズキ「人魚お主の故郷…魚人島かもしれん。」
ああ…出来ればわしがこの手で送り届けたかった…
サカズキ「……すまん。人魚。わしがもっと強かったら…」
第11話黄猿と大好きな歌(黄猿目線)→←第9話蛇と不思議な男(蛇目線)
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作者名：黒白 | 作成日時：2023年3月6日 14時
