前の世界よりヤバい世界で人を救えと？

０２.俺のもの ページ4

A｢研二、何やってるの？｣

すすっと後ろに近付き、そのまま彼の背中に抱きついた。


｢えっ、だ.....｣
誰、と言いかけた彼の目に｢合わせろ｣と念を込めて見つめると彼は黙る。


A｢！あ〜ごめんねお二人さん。これから俺らデートなの｣


そしてあたかも今気付きましたよ〜的な感じを出して彼女らに話しかける。


横を向くと鼻と鼻が触れ合いそうな至近距離で彼と目が合う。途端、彼の顔がぶわっ！と赤くなった。







.....お？？



A｢ね、研二....？｣


その反応が面白くてすぅ....と目を細め耳元でそう呟くと、彼は｢ひ、ｯぅ...｣と小さく叫び、さらに顔を真っ赤にして、下を向いてこくんと頷いた。






.....なかなか可愛い反応してくれるじゃん。



A｢....ということだから、また今度にしてくれる｣


有無を言わせないように睨むと女どもは｢しっ、失礼しました....｣と言って走り去った。




A｢嫌だねぇ、しつこい女は｣


途中で買ったタバコに火をつける。タバコなんか吸いたくなかったが、こうでもしないと大人に見られないから仕方なく、本当に仕方なくだ。



｢あ、あの、｣


A｢.....ン〜？｣


俺が離れても未だ赤い彼の顔。その反応が面白くて、ふー....と冗談で煙を彼の顔に吹きかけてみると、彼は再度狼狽える。


｢ｯ、ぁ....え、？｣


A｢あらら、君この意味知ってんだ？｣


彼は手で顔を隠そうとするが、それを阻止する。


A｢ふーん、見たところ男も慣れてそうな面してンのに...ハジメテ？こういうことされるの。俺に見惚れてた？....研二くんだっけ。顔真っ赤だよ。可愛いねぇ｣

｢可愛ｯ....！？｣

A｢あはは、ほ〜んとウブ。.....ねぇ｣

｢ッ、！｣


近くのショーウィンドウに彼を押し付ける。

｢...、？.....？？｣


困惑しているが抵抗はしてこない。






その彼の白く、細い首に、俺は噛み付いた。


｢ｯい"！？ｯ〜、〜ｯｯ！！｣

痛みに暴れる彼。

しっかり跡が付いたことを確認して手の拘束を緩めると、ドンｯ！と突き飛ばされた。

｢い、きなり、何すんだ.....！｣


A｢ん、ごめんごめん。抵抗しないからてっきりその気があるのかと｣

｢っんなわけ...！｣


真っ赤になり首を抑えている彼に、俺は微笑みながら呟く。



A｢そんな顔で言われても説得力ないよ研二くん。....あと、知ってる？首へのキスマークは所有欲のあらわれ、とか何とか言うらしいよ｣

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