トラウマ ページ38
〜No side〜
ーどばっ
徳「(何言ってんだよ俺!!
地雷どころか、即刻破局案件
ブチ抜いたァァァァ!!)」
光一は身体中の毛穴から
噴き出た汗が冷えるのを
感じる
徳「あ、いや...あのっ
違っ...まち間違って...」
きっと怒ってるであろう
彼女に光一は謝罪しよう
とする
「うん」
「そうだよ」
微かに頬を染めながら
も彼女は淡々と言った
徳「...え、え...?」
「君は、知ってるよね?風早家
と黒洞家は何百年も昔から友好
的な関係だって」
「私も彼もいつかは
家を継ぐ、次期当主
だったからね...」
「...でも、私の家の先代
当主は欲が出てしまった
...」
「『両家の次期当主同士を
婚約させよう』『婚約させ
れば』『両家とも私の物だ』
ってね」
「先代の思惑通りに事は
進んだ...予想外があった
としたら」
「二人が結ばれる前
に自分が死んだ事と」
「その二人が、本気で恋
をしてしまった事だった」
徳「(本気で、恋を...)」
「...ごめんね、いきなり」
「私...昔から自分で物事を
決められなくって...婚約も
先代が言うから参加して...」
「...でも、先代には感謝してる
彼とのきっかけを与えてくれた
から」
「...まあ、彼にとっては
トラウマ物だったのかも
ね」
苦笑いをする彼女に光一は
居た堪れない気持ちになる
徳「.........よかったなっ!
和馬は...きっと今もお前の
事が好きだと思うっ...!」
徳「なら...っ」
「いっ」
「いい!!」
いきなり否定する
彼女に光一はまた
驚く
「わ、わた...っ
わたわた私は」
「私は..."光一"の事が
す好きなんだ...しさっ
...?」
まさかの呼び捨てに、光一は
熱くなり過ぎて目眩を覚える
「い、いつも...は...っ」
「君付けだったんだけ、ど...っ
ホントは...呼び捨てが...よかっ
たというか...」
二人は頭から湯気を出し
立ちくらみに、どうにか
耐える
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作者名:スカーレット | 作成日時:2021年9月12日 22時