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本当にありそうな ページ29

〜No side〜






ーぞろぞろ





健「はあ、面白かったね!」






徳「まあ...」





す「次は健太だよね?」






「えーっと...」





ーぺらっ






『怪談』






「「「あ"!!?」」」






ーポ...ッ





健「じゃあ、始めるね!」





ランプだけしか、灯りが無い
徳川家の茶室にて皆は向かい
合いながら座る





「すみれ、大丈夫?」




す「だ、大丈夫って?」




健「ほら...怖い話って
好きじゃないでしょ?」




「無理なら...」






す「...大丈夫!
やっちゃって!」





健「分かった!」





「消しまーす」






ーカチッ







健「...それじゃあ始めるね」





ごくっと誰かが唾を飲んだ
音がやけに大きく聞こえた






健「ある所に小六の男の子
と、女の子がいました...2人
は幼馴染で...とても仲が良く
毎日一緒に登下校してました」





す「へっ、へぇ!あたし
と光一みたいだね!?」




徳「うっ...
嫌な予感が...」






健「2人が通う学校にはある
噂が...その名も『血濡られた
帰り道』...」







健「午後、4時44分丁度に
一人で帰ると異界へと続く
帰り道が...現れるというの
です...」





「非科学的...」




徳「しっ」




健「その帰り道に、出会って
しまった人は下校中に死んだ
子供達の霊に取り殺され...血
塗れにされてしまうと言われ
ました...」






す「ち、血塗れ...」





健「その噂を聞いた二人は
毎日一緒に帰る約束をしま
した、けれどいつしか二人
はその噂をすっかり忘れ...」




健「そんなある日...女の子が
テストで酷い点を取り、追加
のプリントをする事に...二人
は初めて別々に帰る事に...」




す「如何にも
ありそう!!」





「終わったな...」




徳「いやまだ
どうにか...!」






健「男の子は先に帰り...その
10分後、女の子も下校を始め
ます」





健「4時54分です...その時!!
女の子は、あの噂を思い出し
ある事に気づいたのです...!」







「あ、ある事?」





徳「あっ!!」





す「え?」




徳「男の子は10分前に...!」





「「あ!」」





健「そう!男の子はあの
『血塗られた帰り道』の
時間に、下校していたの
です!!」






健太の迫力と、その健太の後ろ
の窓から降り頻る雨が相まって
すみれとAは抱きつき合う

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作者名:スカーレット | 作成日時:2021年9月12日 22時

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