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琴のお話 ページ28

〜No side〜





徳「まったく...っ」





健「あ、あれ何かな?」






「こと座だね、私は
逸話が結構...好きだ
な」




健「へー!どんな
お話があるの?」





「竪琴の名手が、主人公で
彼は妻と幸せに暮らしてた」





健「うんうん」




「...でもね、ある日彼女は亡く
なってしまって...悲しんだ彼は
冥界へと降り王に彼女を返して
欲しいってお願いするんだ」




「彼の琴の音色に心を打たれた
王は返してくれるんだけどね...
もし地上に出るまで決して後ろ
を振り返ったら彼女は返さない
って言うんだ」







健「えええ...!?」







「彼女を連れた彼は地上の光
が見えた時に彼はつい、後ろ
を振り返っちゃうんだよ」




「その瞬間、彼女は冥界に引き
戻されてしまい彼はだけが一人
地上に戻った」






「おしまい」





健「おしまい!?」





「話によるけど2人は
冥界で一緒になった
とか...」





健「悲しいね...」






「...でも」









「ずっと会えないまま会えも
しない人を待つなんて虚しい
んじゃないかな?」








「それが両思いなら尚更
...だったら、一緒に...」






健「Aちゃん?」







「...いや」






ーにこっ




「何でも無いわ」

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作者名:スカーレット | 作成日時:2021年9月12日 22時

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