十五話《レオナ》 ページ16
…
「なんで、ここに……」
「あ？」
目の前で急に倒れられたモンだから
咄嗟に抱えてやったが──
まさか、あんなヤツと間違えられるなんてなァ？
「でも、ここに君はいるはずないよね。夢、かな？」
「？」
「あはは……こんなに弱ってる姿、あんまり君に見せたくないんだけどね………夢なら、良いかもな〜、なんて」
「えへへ」と力なく笑う草食動物
「今、そっちはどう……？僕の、僕の兄さんたち、迷惑かけてない？」
そこで漸く気が付いた──
コイツは今、俺のことをコイツがいた世界の"けいと"と思い込んでやがる
顔が異常に赤く感じ、首元を触るとかなり熱かった
暑い日は熱中症になりやすい──つっても、今日は日差しがキツいだけでそこまで気温は高くねぇはずだ。
コイツがよく言う「僕は吸血鬼だから」発言に
なにか関係あンのか……？
「敬人……ねえ、おねがいだよ
ぼくを、
ぼくをひとりにしないで………」
そう言いながらコイツはポロポロと涙を流し始めた
チッ、めんどくせェことになった
とりあえず意識をこっちに戻さねェとな……
「おい、草食動ぶ」
「A！！どうしたんだ？！？！」
「……先輩、Aに何したんスか？！」
「子分！！！」
うるせぇなコイツら
ガヤガヤと騒ぐ草食動物どものおかげで
漸く異常事態に気が付いたのか、バルガスのヤツが近付いてくる
「おい、大丈夫か？」
「んぇ……？せ、んせ……？」
と、
「A！大丈夫かっ？！」
「…………うん。大丈夫、ありがとう」
「そ、そうか？なら良いんだが」
「レオナさんもありがとう
もう大丈夫だから、離してくれると嬉しい…かな」
「チッ」
ゆっくりと地面に下ろしてやると
つい先程まで死にそうな程に青白かったのが嘘のような笑顔で、俺に「ありがとう」と言った
「先生。僕は大丈夫なので、授業を再開してください」
バルガスも、野次を飛ばしてたヤツらも、コイツの言葉に疑問ひとつ抱くことなく授業を再開した
ったく
このまま放置して倒れられたら目覚めが悪ぃんだがなァ
さて、どうしてやろうか───
「どんな苦痛も耐え、ひたむきに努力するその姿、
実にマーヴェラス！素晴らしい！」
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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…！とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…！！！ (2022年9月12日 4時) (
レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
翁(プロフ) - さやかさん» 有難うございます！期待に応えられるよう、精一杯頑張ります！ (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です！あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです！頑張ってください！ (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翁 | 作成日時：2022年8月9日 20時
