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十二話《リリア》 ページ13








「寝てしまったのう」


「ああ」






わしとマレウスの間でスヤスヤと眠るA



最近無理しておったのか?クマが酷いのう……



マレウスもそれに気付いたのか、自分の制服の上着をAの肩にかけ、ゆっくり眠れ、と呟いた




くふふ。お主も成長したのう…♪






「なあリリア」


「なんじゃ?」


「これは、人の子の日記だろうか」






そう言いながらひとつのノートを手に取ったマレウス



──見てはいけない



わしは咄嗟にそう思ってしまった





だがしかし、



"好奇心"には勝てるはずもなく、


わしはマレウスの手中にあるノートに視線を移した






「見た目は……普通だな」


「じゃが、日記のタイトルが"ただの日記"とは、面白いのう」






初めて会った時から思っておったが

やはりこやつは、

何処かそこらの人間とは異なって見えるのう



吸血鬼と自称しておったが、

それと何か関係があるのか……?





なんてことを考えながらわしらは"日記"を開いた
















──






xx月xx日 x曜日



昨日、異世界にやってきた

理由はしらない

なんで僕なのかも分からない


見定めるような嫌な視線

時々聞こえる罵詈雑言

押し付けられる面倒事


もう全てが面倒くさい

夢なら早く覚めて、おねがい














xx月xx日 x曜日



こんなに弱りきった姿、誰にも見せられないや

どうしてこんなことになったんだろう


僕が悪い子だったから?


かみさまは、そんなに僕のこと嫌い?

そんなに僕をあの世界から消したかった?






ねえ兄さんたちは今



何処にいるの?
















xx月xx日 x曜日



大好きだよ、みんなのこと


エースもデュースもグリムも、エペルくんたちも

みんなみんな、大好き



みんなといるとインスピレーションが沸き上がるんだ

音符が、メロディーが、頭を駆け巡る



でも、どんなに君たちを愛しても



僕はこの世界の人間にはなれない













ああ、なんで僕が、こんな目に













──












何百ページと綴られた文字


所々滲んでいて、破ったような跡もあった




………今のこやつは、


壊れかけのオモチャよりも容易く壊れてしまう



じゃから、



わしらがちゃんと見てねばならぬ






「リリア」


「…うむ」






こやつには今まで散々お世話になったからのう



ちょっくら、


恩返しといこうかの──

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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…!とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…!!! (2022年9月12日 4時) (レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さやかさん» 有難うございます!期待に応えられるよう、精一杯頑張ります! (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です!あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです!頑張ってください! (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月9日 20時

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