変貌です ページ37
「ミツバの願いは少し曖昧だったんだー」
かくん、と壊れたかのようにつかさくんは首を傾げる。
「“此岸に残って何をしたいのかわからない”
“でもこのまま終わりたくない”
“みんなの記憶に残りたい”」
「…願いが曖昧だと、中途半端な怪異にしかしてあげられない」
「でも」
「今は違う。君達のおかげだよ」
なんとか踏ん張り、やっと立てた途端にそんな言葉が降りかかる。
「オレらの…?」
違う。そんなじゃない。
「そう。君達はミツバの本当の願いを引き出してくれた。
願いが…未練が強ければ強いほど、怪異はより確かで強力な存在になれる」
「ミツバの願いはこう」
「トモダチが欲しい」
「トモダチと一緒にいたい」
『これから先もずっと』
三葉の願い…それはそうかもしれないけど、やり方が違う。
こんなじゃない。つかさくんは違う。
「あ、そーだ」
「あの子達も君と同じになれば、ずっと一緒にいられるんじゃない?」
話が進んでる。
これ……危ないシーンじゃない?
「大丈夫。何を望んでも、そのために何を傷つけたとしても、俺が全部許してあげる」
「君の願いの代償は『理性』」
「邪魔なモノはもう何もない。さあ、世界の仕組みに抗って、足掻いてみせてよ」
「ミツバ」
すぅ、と三葉が目を開く。
「三葉…っ」
こっちを向いた三葉の顔は、
完全に、怪異の顔になっていた。
ヤバいやつだ。
「!」
三葉のマフラーは、光くん……ではなくわたしに飛んできた。
「ッ、おい三葉!やめろ離せ!!」
多分、光くんよりか思い出がないぶん、やりやすかったんだろう。
ギリギリと巻きついて、締め上げられていく。
「三葉…こんなの違うでしょ?」
「三葉は、三葉の願いは、こんな形じゃないでしょ?」
わたしの言葉にも、光くんの言葉にでさえ耳を貸さず、無言で絞めていく。
ただ、血涙を流して。
首まで絞め始める。
息が出来ない。気道がふさがれて、空気が入ってこない。苦しい……。
ミシミシと音を立てて、ギチギチ体中に食い込んでくる。
「みっ………つば……ね、目………っ覚まして…………」
やっと言えたと思ったら、だったそれきり。
その時、
目の前に包丁の切っ先が見えた。
その瞬間、三葉は真っ二つに斬られていて
わたしも解放された。
ああ、また守れなかったんだな……。
そう心に思って、わたしは意識を手放した。
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ゆりりん - 私も光ミツ好きです (2022年8月1日 16時) (
レス) @page30 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)
我妻 凛生 - もう光くんが尊い推ししか勝たん (2020年12月17日 10時) (レス) id: 2cf38c9a15 (このIDを非表示/違反報告)
花琉�� - 若葉さん» ありがとうございますぅ！！個人的にですね、光くんは純粋で子供っぽさがあって頑張りやさんの可愛い中に！かっこいいが入ると！！一瞬で爆死れべるで萌えます！！！(なんの話だよそんなんなくても光くんは萌えるよ)頑張ります！ (2020年3月5日 13時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - ここの光くんがちょーーーーーーー可愛い！ありがとうございます！浄化されました！ (2020年3月4日 18時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
花っち�� - 歯みがき粉さん» いやー光くんいいですよねぇーーー！！！リアルで分かってくれる人いなくて寂しかったんですよー！お気に入りだなんて……！ありがとうございますコメ力で更新頑張っちゃいます！ (2019年11月15日 22時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花琉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/a1129/
作成日時：2019年9月13日 20時
