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あれから日が暮れるまで、僕はAの病室にいた。
何をする訳でもなく、ただどうしたらAの痛みを取り除いてあげれるのか、それだけを考えながら。

ふと僕の頭の中に浮かんだのは、僕の唾液が君の体を循環して、傷が治らないか。というかなり飛んだ考え。
Aとのキスは喉だけでなく、全身の傷を治してくれる。

だからといって狗巻家の唾液がAに効くかの可能性は無いに等しい。
だって もしそうだとすればとっくの昔から分かっていた事だから。

でも、Aのこととなると頭が正常に働かない僕は考えるより先に行動に移していた。


「 おかか? 」
『 …ん? ちょっとだけ、痛い。』


Aに一応 まだ痛むかと確認を取って、彼女の頬に手を添えた。

当然 彼女はどうしたのか問う瞳で僕を見つめる。
返ってそれがこれからする行為を誘導しているかのように映って、意外と簡単に僕はソレをしていた。


『 ん??! ちょ、とげ… ッ』
「 …っ、あけて 」

呪術を施す必要は無かったんだけど、Aには僕の液と好意を沢山 もらって欲しかったから、呪言を使った。
そうすれば強制的にAの唇が開いて、僕の唾液は容易くAの口内へと流れ落ちていく。

…抵抗したら駄目だよ。
もしかしたら、その痛みは癒せるかもしれないし。

治癒の為か、それとも僕の欲望の為か。
間違えなく 治癒 なんてものは口実で、だけど彼女を救いたいのも事実だから、僕は何時までも自分勝手なのかもしれない。

夢中になりすぎて、もう舌を絡ませるだけになりそうになった矢先、Aが僕の胸を叩いてそれを制止した。


「 …おかか 」
『 長い 』


謝罪をすれば、否定も肯定もする訳でもなく、だけど意識をしてしまう。そういう曖昧な返事が返ってきた。
キスをした理由を伝えたら、彼女は呆れたように「ある意味 痛みは引いたかもね」と、失笑した。

…まぁ。そりゃそうだ。

治せるわけがない。
それはわかりきっていたこと。


「 ツナ。」
『 うん、バイバイ。治そうとしてくれてありがとう。』


それと同時にやっぱりAは僕を意識してくれないと分かってしまう。
なんだかんだ、僕からしたのは初めてなのに。
ダサイって思われないようにカッコつけたつもりなのに。

…今の僕、絶対に耳まで真っ赤だ。
全身が熱すぎて、いても経っても居られない。僕はすぐさま自室へと向かってシャワーを浴びることにした。



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bookuu(プロフ) - レスありがとうございます!頑張って夢主ちゃんに好意を持って貰おうと何回も仕掛けるる棘先輩が見たいです。でも、棘先輩好きな子の前ではウブそう、、(偏見) (2020年11月23日 20時) (レス) id: 995a48bf81 (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - ひよこさん» コメントありがとうございます! ウブな棘先輩を書けたらな…と思ってます! (2020年11月23日 17時) (レス) id: 1cb946dba9 (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - bookuuさん» 正直結末はまだ考えていないので、リクエストあれば気軽にどうぞ(^^) (2020年11月23日 17時) (レス) id: 1cb946dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - 棘先輩可愛いです。(真顔) (2020年11月19日 22時) (レス) id: 840ae1844c (このIDを非表示/違反報告)
bookuu(プロフ) - うッッ、、棘先輩が尊いですぅ...(尊死)更新楽しみに待っています! (2020年11月19日 21時) (レス) id: c1bd0a2f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美琴 | 作成日時:2020年11月19日 18時

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