32話 さよなら ページ34
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身体中が痛い
頭がクラクラする
でも駄目だ、此処で倒れたらミンスも姫様もハクも殺される
『…残らせて……最後くらい派手に暴れたい』
もう、私の体力も限界だ
ハク達には着いて行けない
だったら、此処で最後まで戦う
ハ「…馬鹿言うな。お前も姫様の護衛役だろ」
……なんで逃げてくれないの…
『だから…残る…』
ハ「ふざけるな。1人じゃ無駄死にするだけだ」
早く逃げて……
『…煩いっ、黙れ…!』
私は簡単に言ってしまえば兵士
国にとっては所謂捨て駒
次期将軍と言われようが元は孤児
死ぬ覚悟はしてた
何時も叩く軽口も只の虚勢
弱い自分を誰にも晒したくなかった
弱虫の嘘つきなんてサッサと切り捨てれば良いのに…
ハ「お前、俺の相棒だろ!何時も横に居ろ!!」
ああ、昔からハクは…切り捨てなんてしなかった…
だから……命が惜しくなる
『…姫様を生かすため…分かって…』
ハ「分かりたかねぇよ。お前の命だって姫様と同じ価値だ」
『バカだなぁ…チョット嬉しいよ…』
ハ「そりゃどうも」
『でも、私はまだ何も出来てない。姫様を助けたのはあんたとミンスだ。最後くらい何か…』
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ハ「最後てなんだよ」
『は?』
ハクは怒りを含んだ声に顔を上げた
ハ「最後て、お前もう死ぬ気か?ふざけんな。俺の背中はお前に預けてんだ。勝手に自滅すんな
何も出来てないて、お前そんなボロボロになって姫様守ったんだろ?傷一つない俺の方が情けない」
ハクが手を伸ばし、頭を撫でる
ハ「良くやった。お前は俺の自慢の相棒だ
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だから……勝手に死のうとするな…死なないでくれ…」
震えた声が耳に響く
自分が死ぬのを…嫌がる人が居る
それだけで、生きる気力が増した
『…足手纏いは承知?』
ハ「勿論だ。姫様守るならボロボロでもお前がいた方がいい」
『…ありがとう…』
ハ「……やめろ。気色悪い」
『よし、天国か地獄。どっちか選べ』
キッと睨みを効かせた後、ミンスを見た
彼は、もう覚悟が決まってる
ミ「…ハク将軍、エース様、ヨナ姫様」
…お三方…どうかご無事で」
ミンスが姫様の衣と共に駆け出した
さよなら、緋龍城
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さよなら、イ・エース
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コロコロオムレツ - お久しぶりです。更新再開していこうとおもいます! (2020年2月26日 18時) (レス) id: cf7760df5c (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - 夢主ちゃんとハクとの絡みが好きです!更新お待ちしております。頑張ってください! (2019年12月22日 0時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - こんなに沢山のコメント……!嬉しい限りです!ただ、受験勉強もあり、ペースは遅いと思います。けど!まだまだ続き書きますのでこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 1f0616d418 (このIDを非表示/違反報告)
Rex(プロフ) - 主人公とハクとの絡みがとっても大好きです!!是非とも完結まで書いて頂きたいと思いました!!更新を楽しみに待ってます(^^) (2019年8月7日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 更新待ってます!! (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2019年5月5日 16時