31話 冗談じゃない ページ33
ハクside
どうすればいい
この状況、姫様を連れて逃げるのは無理だ
もし…もしエースが居たら……
《早よ、姫様抱えて逃げんかスカタン!こっち食い止めてる間に、逃げ切らなかったらその首飛ばす!》
ハ「……んな、簡単じゃねぇよ!!!」
「気が触れたか、ハク将軍」
ああ、俺は何時からあんなヘナチョコに頼るようになったんだか
ハ「…そんなヘナチョコも居ないよりマシだけど」
大刀を握る
一か八か、兵を蹴散らして逃げるしか…
.
.
ヒュンッ
空気を切り裂く音がして、地面に矢が刺さる
ヘナチョコは矢を放てない。勝手に自滅しやがる
て、事はミンスか!
兵が動揺した一瞬を突いて姫様を抱え、逃げる
ミ「将軍!ハク将軍、此方です!」
ハ「やはり矢はお前か、ミンス」
ミンスを見て、ホッとする
このまま城外に……
姫様を下ろし、ミンスの背後を見て、背筋が凍った
ハ「エース!」
ヨ「っ、そんな……」
ミンスの背後の木に凭れ、グッタリしたエース
赤い衣が所々裂け、赤黒く染まっている
さらけ出した腕には包帯が巻かれ、ジワジワと血が染み出す
赤い身体に対して、血の気のない青い顔は苦しそうだ
ヨ「…ミンス…エースは死んじゃったの…?」
ミ「いえ、死んでいません。この人は殺しても死なない人ですから。ただ……」
ハ「その不死身の意識が無いってことは相当なんだな。怪我」
エースの目の前で膝をつく
肩…胸…腹… 。首への一撃を避けた物の深い傷だ
顔の傷は浅い。跡には残らない筈だ
一番は腕だな……腱は大丈夫そうだけどザックリ切れてる
ハ「…早めの治療が必要だ。後、絶対安静」
ミ「ですからハク将軍。私が逃げ道を確保します。三人は城から脱出して下さい」
.
.
.
『……冗談じゃない。それは私の仕事だ…』
エースが目を覚ました!?
パッと見ると、木に凭れたまま、目を開いて腕を組むエース
青い顔に脂汗を浮かべたまま、ミンスを睨む
『……死ぬ気?私を殴った落とし前を付けて貰わなきゃ困るんだけど』
腹を摩りながら槍を握り、フラッと立ち上がる
『しんがりは私だ。サッサと逃げろ』
ハ「嫌だ。お前も連れて行く」
『この怪我でか?』
全く、此奴は頑固だ
……イライラしてくる
.
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コロコロオムレツ - お久しぶりです。更新再開していこうとおもいます! (2020年2月26日 18時) (レス) id: cf7760df5c (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - 夢主ちゃんとハクとの絡みが好きです!更新お待ちしております。頑張ってください! (2019年12月22日 0時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - こんなに沢山のコメント……!嬉しい限りです!ただ、受験勉強もあり、ペースは遅いと思います。けど!まだまだ続き書きますのでこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 1f0616d418 (このIDを非表示/違反報告)
Rex(プロフ) - 主人公とハクとの絡みがとっても大好きです!!是非とも完結まで書いて頂きたいと思いました!!更新を楽しみに待ってます(^^) (2019年8月7日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 更新待ってます!! (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2019年5月5日 16時