朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

3話 馬泥棒 ページ4

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なんだったんだろ、さっきのは



未だ熱い頬を抑え、廊下を歩く



ハク、あんなに手大きかったっけ



あんなに力強かったっけ



あんなに……男前だったっけ……



『意味わかんない……』



馬にでも乗って頭を冷やそう



馬屋に入り、自分の馬を呼ぶ


が、一向に出て来ない


まさか……盗まれた！？


外に駆け出し、周りを見た


この、イ・エースから馬を盗むとはいい度胸だ


袋槍は城に置いてきたから素手で顎を殴ってから鳩尾に蹴り入れて……それから……


「お、あれはエース殿じゃないか」


「噂通りの美女じゃないか！ちょっと声を……ヒッ！！！！」


「なんと、気味の悪い笑いをしていらっしゃる……」


『ふひひひひ……』



？「おや、誰かと思えばエースじゃありませんか」



落ち着いた綺麗な声が頭上から聞こえた


振り返ると間近に馬の顔


ベロリと頬を舐められ、ゾクリとした


『スウォン様、この馬どうにかしてください！』


ス「いや、しかしこれはハクの馬なので…私の言うことを聞かないのです」


『待って今なんて？』


じゃあ、後ろのハクが乗ってる馬は……


『……馬泥棒はお前かハク！！！』


ハ「なんのことやら」


ハクが乗った馬は間違いなく私の馬！


『返せ盗人！』


ハ「盗人とは失敬な。借りただけだ』


『ほー、持ち主に一言も無しにか』


ス「相変わらず2人は仲が良いですね」


ハ「『良くない！！！」』





スウォン様の目に私とハクはどう映っているんだ！？


というか、今ハクに会うのはマズイ


非常にマズイ！


『とりあえず馬を返せ。なんなら其処から引きずり降ろしてあげようか？』


ハ「やれるもんならやってみな。ついでに手合わせしてやろうか」


『ハッ、前回の引き分けが悔しいのかな？』


ハ「一度でも勝ってから言いやがれ」


互いに火花を散らす


早く此処から退散したいのに


ヨ「エース！馬に乗りたいの？」


スウォン様の前で手綱を握る姫様が口を開いた


『ええ、もちろん！なのにこの盗人と来たら……！』


ハ「黙れ」


ハクが投げた矢を右手で掴む


『ハクや、今の当たったら死ぬんだけど』


ハ「高華の獅子に当たるかよ」


小憎らしい！！！


ヨ「ハク！それはエースの馬なのよ！いじわるしないで！」


姫様なんて素晴らしい事を！


ヨ「ハク、エースは馬に乗りたいのだから……



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後ろに乗せてあげなさいよ！！」



『はい？』



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