朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

14話 嫌味 ページ15

ハクside





『羽織で視界を塞ぐなんてズルい、私泣くよ』




ハ「復活速すぎだろ。10分かかってねぇぞ」




『あんな攻撃へでもないわ！！』




ハ「ほざけ」





目を覚ました途端にとやかく喋り出した




うるさい




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エースはかなり強くなってた




俺の最初の一撃は、柄が折れても可笑しく無かった



本来なら、避けるはずの攻撃を柄で受け止めたのは、次の攻撃をし易くする為




俺を使ったとはいえ、あの高さまで跳躍するとは中々だ




力は劣るが、身軽さと頭脳は一級品だ




グンテ将軍の娘。戦いには慣れているんだろう




『しかし、幹をぶった切ったるなんて。流石馬鹿力』




ハ「……うるせぇ」




『い”だだだ！』




拳をグリグリと頭に押し付ける




なんか、里を思い出すな




スウォン様や姫様にこんな事出来ないし




……今度、ちゃんと里に帰ろう




『ハク！髪が乱れる！』



ハ「おっと、悪い」





手を放してやると、エースの髪はグシャグシャ




……ジジイにばれたら




《髪は女の命じゃバカタレ！！！》




て、殴られそう





女官「ハク将軍、エース殿。イル陛下がお呼びですが……仲がよろしいようで」




ハ「『は！？」』




城中でも指折りの噂好きの女官




『ハクごめん。私逃げるわ』



ハ「何でだよ。イル陛下は？」



『あの女官。いつも私に嫌味言ってくるの！なんか想い人を取られたーとか……』




まぁ、取った覚えもないし、寄ってきた奴は全員庭園の土にしたからな




堂々と胸を張って答えてる




こう言うサッパリした所がエースらしい






女官はエースの乱れた髪と土で汚れた化粧っ気のない顔をジロジロと見る




……幾ら何でも失礼だ




エースは嫌々ながら、女官の前を通ろうとする




女官「相変わらず、お美しいお顔ですわね。お母様もさぞお美しい方でしょう」




ピタッとエースが止まった




エースは孤児だ




地の部族に拾われ、今はグンテ将軍の娘となっているが、血は繋がっていない




それは、城中が知っている




女官は皮肉たっぷりに続ける





女官「年頃の娘が将軍に喧嘩を吹っかけるなどはした無い。ハク将軍は貴方様と違ってお忙しい方。これも強さを求める地の部族ならではの我儘ですわね」




見下すように告げると女官は俺の隣に歩み寄った




女官「ハク将軍。エース殿とは身分が違うのをお忘れなく」




ああ、確かこの女官は貴族だったな





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