必ず立ち上がれることを。 ページ35
「ラジムス！！」
「なっ…！」
Aはラジムスに向かって 天羽々斬を振りかざした。突然のことにラジムスは後ろへ飛び回避する。Aは刀を振りかざしたままの姿勢でラジムスを睨みあげる。
Aの姿を見てエルザが焦ったように声をあげた。
「A！ 無茶をするな！ お前の体じゃ立っているのもやっとなはずだ！！ 」
「もう治った。」
「治ったって...！ 」
「大丈夫だ。ありがとう、エルザ。」
Aは、安心させるように微笑んだ。エルザは呆気に取られる。それはAの纏う雰囲気にだ。どことなく、柔らかくなったような気がした。
「くくくっ、ウィーンの魔力が何かしましたね？ まぁいい。それでも勝つのは私だ。」
「ほざけ。底辺如きが王である私に、どう抗うつもりだ。」
Aは挑戦的に勝気な表情で言った。ラジムスは眉を顰める。今までにない感覚だ。
睨み合うAとラジムスにエルザ達は唖然と見る。グレイは思わずAを見つめる。何故か、胸騒ぎがする。何だ、この感覚は。
「A...、」
「戦闘中なんだから、私以外の女見ないでよね！！」
「っ！」
その時、アイリスがグレイに突っ込んでくる。グレイは盾(シールド)を作り攻撃を受け止める。盾が嫌な音を立てた。
チラリと横を見ると、エルザもソルージュとかいう男に攻撃されていた。
とりあえず、氷の雨を倒すことに集中しよう。と思いグレイは集中し始める。刹那、
「グレイ、」
遠慮がちに呼ばれ、振り返るとAが心配そうに見つめていた。周りの音か聞こえなくなった。
「グレイはあの日、私の言葉を信じてくれた。」
記憶の底から呼び起こされる映像。デリオラか全てを奪い去った日。Aの言葉を胸に刻み、歩んで来た。今までも、今も、きっとこれからも。
Aはグレイに拳を突き出す。
「だから私もグレイの言葉を信じよう。必ず立ち上がれることを。」
Aは切なそうに微笑んだ。その微笑みがあまりにも綺麗で、涙が出そうになった。
「必ず、立ち向かえることを。」
そう言ってラジムスと向き合ったAの背中は力強かった。
そんなAの背中にグレイは小さく笑った。
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ヒカリ - 頑張ってね！応援してるからねー！ (2015年5月20日 15時) (
レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» 分かってるよ、(苦笑) (2015年5月16日 11時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - でもこの作品が終わったら次の作品の約束忘れないでねー！ (2015年5月15日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - ヒカリさん» ありがとう！ そう言っていただけると助かります！ (2015年5月11日 0時) (レス) id: b9de7aef37 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 私はずーと気長に待ってるね！ (2015年5月9日 16時) (レス) id: afd4375f65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海姫 | 作成日時：2014年6月20日 23時
