仮面の暗殺者 ページ7
翌日、Aは国木田からの一件の着信で飛び起き、社へ走った。
「社長は、ご無事ですか!?」
入口を開けたと共に声を荒らげるAに既に着席していた国木田が「落ち着けA、」と短く云う。
Aはその言葉に少し冷静さを取り戻し、コクコクと首を縦に振った。
「一命は取り留めたが謎の症状で意識不明の重体だ。」
その言葉にホッとすると、全く同じことを云いながら敦が社に飛び込んできた。その様子に国木田は渋い顔をした後、全く同じ台詞を繰り返した。
「国木田さん。与謝野女医の異能でも治らないんですか?」
「あぁ、治せないらしい。」
その言葉に厳しい表情になる。与謝野の力でもどうにも出来ないとなると異能力の影響だろう。社長を襲った犯人が異能力者ということだろうか。
悶々と考えるAにフラリと太宰が近寄り「聞き込みをしてきたよ。」と手を挙げた。
「ここ最近似た暗殺事件が頻発しているね。裏路地で異能者が夜襲を受ける。既に何人か死人も出ているらしい。」
「犯人の特徴は?」
「正体不明の異能を使うことと仮面を被っていることだけ。」
「あとは夜襲である、という点ですか?」
「そうだね。」
国木田が「仮面の暗殺者、か。」と思案する。異能者を襲う、というだけでその暗殺者がかなりの実力だということが分かる。それにとどんな手を使ったかは分からないにせよあの社長を襲ったのだ。
「尤も、私達が走り回る前に犯人は死ぬかも知れないけどね。」
その言葉に敦が「え!?」と目を丸くした。
「敦君。街で異能力殺しが活躍して1番困る組織は何処だと思う?」
「……異能特務課ですか?」
その瞬間Aがある答えにたどり着き「違います、」と声を漏らす。その言葉に太宰は薄く笑う。
「ポートマフィア、ですね?」
「正解。夜の管理者たるマフィアの与り知らぬ暗殺者は異能者所帯のポートマフィアにとってすれば鼻先でナイフを振り回されるような屈辱行為だ。これでもし、マフィア側に犠牲者でも出れば、」
「マフィアの威光も地に落ちる、というわけか。だが被害が出る前に動くか?」
「常に先手が勝つ。森さんの口癖だ。直ぐに動くさ。それにマフィアの網は広く深い。暗殺者が隠れ家にしてそうな場所にも通じてる。今頃は隠れ家くらいつきとめてるかもね。」
考えの読めない声で太宰は笑った。
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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時