それは確かな希望の光 ページ23
結果、花袋の家には血痕以外残されているものはなかった。
そしてマフィアへ乗り込んだ乱歩達も梶井の檸檬花道によって撤退を余儀なくされたという結果に至った。
間も無く、マフィア並び探偵社の双方の責任者である森と福澤が姿を消したという報告が各組織に知らされた。
そして森と福澤は双方の馴れ初めの地で、決闘が行われていた。
死闘は終盤。福澤が森の異能のエリスと森を斬ったが、森が弁術に持ち込む。マフィアと探偵社は同等じゃない。森が死に、頭がいなくなればマフィア達は必ず暴走する。
その言葉に動揺した福澤の首元に森のメスが飛んだ。不意の攻撃に福澤の首元から血飛沫が散り、地面にその身体がゆっくりと倒れる。
「すみません福澤殿。武では勝てぬ故、汚い弁舌戦に持ち込ませていただきました。」
福澤は浅く呼吸する。そして瞳をとじて「これも、宿命か。」と呟いた。
森はトドメを刺そうと、福澤の首元にメスを当てがう。
その瞬間、地響きが聞こえ、建物の一角か崩落した。
突然の崩落に福澤も森は崩落の場所を見る。そこには一匹の猫。そしてそれはぐわんと姿を変えて人の形へと変わった。
「全く。
面倒な奴らじゃのう、御前等は!!」
夏目漱石《異能力…吾輩は猫である》
「な…、」
「夏目…先生…?」
「全く!隠居爺には楽をさせろ!
なんの為に御前等に街を任せたと思っておる!」
威嚇する猫のように目を釣りあげて怒る夏目に福澤と森は素直に怒られる。
底へ暗闇から「夏目殿ぉー?」と頼りない低い声が聞こえてきた。
そして姿を現したのは布団にくるまった花袋だった。崩落のことは聞かされていなかった花袋は夏目の身を案じるも「花袋の小僧が鼠の潜窟を割り出した。」と話を続ける。
「だが奴は狡猾の権化。追手を感知すれば暗中へと姿を消し、二度と捉えれぬだろう。
では何を好機とする? 」
「今…この状況?」
「…そうか。2人の長が生死不明の時のみ、奴は状況確認のため潜窟に留まる。」
「黄金時間はウィルス発症迄の十二時間。部下共には既に情報を渡しておる。
儂が見込んだ御前等の組織じゃ、鼠如きが食い荒らせるモノではない。二人共それを明かしてみせよ。」
夏目の言葉に福澤と森は表情を引き締める。だが刹那夏目が面倒くさそうな顔をする。
「と、云いたいところだが御前等は今ウィルスに蝕まれておる故、幼子の方が役に立つ。そこで、ある人物を呼んでおる。」
そして「もう出てきて良いぞ。」と言葉を続けた。
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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時